ふぶき、はかいこうせん、ドわすれ……初代『ポケモン』の“壊れ技”といえば?

 ゲームには様々なシリーズものがあるが、メーカーが新たな挑戦として送り出す「初代」はどうしても、“バランスブレイカー”が生まれやすい。今年で25周年を迎え、世界的な人気作となっている『ポケモン』シリーズの初代『ポケットモンスター 赤・緑』も例外ではなく、“壊れ”要素は少なくない。今回は同作で猛威を振るったチート級の壊れ技を紹介しよう。

初代の最強技「ふぶき」

 「初代ポケモンの壊れ技は?」とアンケートを取った場合、おそらく多くの人が1位に挙げるのは「ふぶき」だろう。威力120、命中率90%という性能で、でんきタイプの最強技「かみなり」も威力120であるが、命中率は70%と「ふぶき」よりも20%も低い。くさタイプの最強技「ソーラービーム」は威力120、命中率100%といい数字だが、放つためには1ターン待つ必要があり、「ふぶき」の使い勝手と比較するとどうしても見劣りしてしまう。

 そしてなにより「ふぶき」が凶悪なのは、3割の確率で相手を「こおり状態」にすることだ。初代ポケモンでは、こおり状態になった場合、「こんらん」や「まひ」などと違って攻撃が一切できなくなり、ほのおタイプの技を受けるか、相手が「くろいきり」を使うしか解除方法がなく、自力ではどうすることもできない。威力だけでなく、追加効果も壊れている技といって良いだろう。

最高のフィニッシュブロー「はかいこうせん」

 ノーマルタイプのトップレベルの火力を持つ技「はかいこうせん」。威力150という「ふぶき」を上回る火力ではあるが、「はかいこうせん」を打った次のターンは反動で動けなくなる、という“配慮”がなされている。ただ、初代ポケモンでは、「はかいこうせん」で相手ポケモンを倒した場合、次のターンも動くことができる“バグ”が起きる。

 このバグは初代ポケモンにおいて、最強ポケモンの一匹に数えられる「ケンタロス」を大きく強化することになった。高い「こうげき」と「すばやさ」を持っているケンタロスから放たれるタイプ一致の「はかいこうせん」は威力が高すぎるため、ある程度HPが削られた状態であれば、難なくトドメを刺すことができる。そのため初代ポケモンのバトルでは、「はかいこうせん」を節操なく連発する「ケンタロス」が猛威を振るった。

最恐のドーピング「ドわすれ」

 「つるぎのまい」や「とける」など、自分のステータスを二段階上げられる技は非常に使い勝手が良いが、「ドわすれ」はその中でも群を抜いて壊れていた。「ドわすれ」は「とくしゅ」を2段階上げることができるが、「初代ポケモン」は「とくこう」と「とくぼう」に分かれておらず、「とくこう」と「とくぼう」を各々2段階上げることができた。つまり、実質“使用したポケモンのステータスを4段階も上げる”という異常な強化が可能になる。

 ちなみに、「ドわすれ」を一番使いこなしたポケモンには「ヤドラン」が挙げられる。任天堂が主催したポケモン大会「ニンテンドウカップ’99」では、「ケンタロス」や「スターミー」といった主要ポケモンが使用できなくなり、これまであまり日が当たらなかったポケモンが目立てるようになった。その中でも、高い「ぼうりょ」を誇り、「ドわすれ」を覚えられる「ヤドラン」は耐久性に過ぎれたポケモンとして、多くのトレーナーに愛された。

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