色褪せない『パワプロ6』サクセスモードの思い出 可能性無限大の熱血大学から、全てが異次元の仏契大学まで

全てが異次元の仏契大学

 仏契と書いて「ぶっちぎり」と読むのだが、初見では読むことができないこの奇抜な大学名に相応しい混沌とした大学。まず、練習メニューが他大学なら「腕立て伏せ」や「ノック」となっているが、仏契大学では「油風呂」「タイマンスクワット」「丸太素振り」などクレイジーなものばかり。中でも、後方にチェーンソーが搭載されたルームランナーの上を走る「のこぎりダッシュ」を始めてみた時は震えが止まらなかった。

 また、クレイジーなのは練習だけでなく、偽のラブレターを他大学に送って守備の連係を乱す「恋のから騒ぎ作戦」、他大学に腐った弁当を送って選手のやる気を下げる「タダより高いものはない作戦」など、他大学の戦力を削ぐための作戦をしかけることができる。練習時間を妨害に費やすことに「これで良いのか?」と疑問が生まれるだけでなく、「プロ入りした時に学生時代の悪事がバレたらまずいのでは?」といったことまで心配したくなってしまう。

 また、仏契大学は監督を務める“大豪月(様)”に、絶対服従を誓わなければいけない超縦社会となっている。そのため、大豪月の評価は悪いと、ガラの悪い犬に追い回されて怪我をさせられたり、終いには退部させられたりなど、バッドイベントが起きるリスクがあり、ご機嫌取りを怠ってはいけない。そんな敵なのか味方なのか時折わからなくなる大豪月であるが、彼がたまに提案する特別練習は魅力十分。野球経験者であれば想像したくもない“鉄球を外野からバックホームする”という練習では肩力をアップできる。他にも、死者が出てもおかしくない“360度の方向から飛んでくる鉄球を打ち返す”という練習では強打者の証「広角打法」がゲットでき、4番打者を作りたい時にお世話になった大学だった。

 パワプロ6では、矢部の姉“矢部徳子”やマッドサイエンティスト・ダイジョーブ博士の助手“加藤京子”など彼女候補も個性豊かであり、野球以外の面も非常に楽しめるシリーズ随一の作品となっている。手に取る機会に恵まれれば、ぜひプレイしていただきたい。

■網島レイビン
ライター、動画編集者、シナリオライターのアラサー男性。スーパードンキーコング2のBGMとカスタムロボV2が好きな懐古厨。Twitter:@amishima_ravin

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