近未来的なデザイン、快適な装着感。Microsoftのイヤホンはテレワークでも活躍する優れものだった

Zoom会議で利用。マイクは人の声を良く拾うチューニング

 マイクは各イヤホンに2つ搭載。テレワークとなると、オンラインミーティングなどで会話するシーンも多いが、当然ながら装着したまま通話も行なえる。

 今回は定番どころの「Zoom」を使って音質のテストを行なった。『Surface Earbuds』のマイクは、低域から中域までを良く拾う印象で、反響音を抑えて人の声をハッキリ届ける傾向がある。

 音質的にはひとクセあるが、狭くて反響しやすい空間や、ざわついた環境で確実に声を届けたい場合に有利に働くチューニングだ。自宅やシェアオフィスでのリモート環境でのミーティングを想定すると、この恩恵を享受できるに違いない。

 余談かもしれないが、今回同時に試用した『Surface Laptop 3 Sandstone』の内蔵マイクはかなり優秀だった。集音はフラットで非常にクリアだ。静かな環境で反響音が気にならないのであれば内蔵マイク、そうでないなら『Surface Earbuds』と切り替えて利用すると、オンラインミーティングを賢く攻略できるかもしれない。

この値段でノイズキャンセリングなしをどう捉えるか?

 昨今のテレワークシーンでは、強力なノイズキャンセリング搭載モデルが人気。その中で、『Surface Earbuds』はノイズキャンセリング機能はなく、純粋にサウンドと利便性を求めたモデルとなる。

 それで23,980円(税込)はやや強気の値付けとも言えるが、仕事中は環境ノイズを排したい派だけではない。多少は周囲のざわめきを感じたほうが集中できるという意見もあれば、周囲の音が聞こえないと困るというシーンもあるはずだ。そのようなケースでは『Surface Earbuds』を選択する理由となるだろう。

 なにより、閉塞感を感じず、長時間快適に利用できるこの特性は素晴らしい。『Surface Earbuds』テレワークでも選ぶ価値があるイヤホンであることは、間違いない事実だ。

ノイズ除去にはヘッドホンタイプの『Surface Headphones 2』が効果的

 一方、静粛性を求めるならオーバーイヤーの『Surface Headphones 2』も候補に入ってくる。接続性の良さなどは『Surface Earbuds』同様で、こちらはアクティブノイズキャンセリング対応。

 ノイスキャンセリングをオンにすると、人の声やBGMなどはサーキュレーターのファンノイズなどがスーッと引いていく。市場で人気のノイズキャンセリング効果の大きいヘッドホンと比べると、その利きは最高では無いものの、ヘッドホン外周部のリングを回すことで、ノイズキャンセリングのレベルを調整できるのがユニークだ。

 前述のように自宅で仕事をしていると、作業に集中したい場合もあれば、完全に隔離されたくない状況も多い。こうした、「作業への集中度を増したいが、時には周囲にも意識を割きたい」という、相反する2つのニーズを高水準で満たした、バランス感の良いヘッドホンだと言える。

 価格は32,428円(税込)と高価だが、テレワーク支援として考えると、こちらも候補に入れて良いアイテムだと感じた。とにかく、リングを回す操作が直感的で気持ちがいいのだ。このフィーリングの良さもまた、仕事に向かうモチベーションアップへと繋がっていくはずだ。

■小暮ひさのり
編集プロダクションを経て独立。PC誌・WEB媒体を中心にデジタルアイテムのトレンドを追っているテクニカルライター。特技はお掃除でハウスクリーニングアドバイザーの資格も所有。

関連記事