『ウマ娘 プリティーダービー』はなぜヒットした? トレンド化を決定づけた2つのゲーム性

「競馬×アイドル」という異色の融合が見せた化学反応

 また、複数の要素を高水準で融合させたゲーム性を持つ点も、トレンド化の要因となったはずだ。

 『ウマ娘 プリティーダービー』は、競走馬に見立てた女の子キャラクター(ウマ娘)を育成する「競馬ゲーム」であると同時に、レースに勝った際には当該キャラクターが、(ウイニングランならぬ)“ウイニングライブ”を開催する「アイドルゲーム」でもある。この2つのジャンルを「育成」というキーワードを接点にうまくまとめあげたタイトル。それが『ウマ娘 プリティーダービー』なのだ。

 プレイヤーは、「(現実の競馬において)好きな競走馬であること」「(ゲーム内での)性能や設定、見た目、パーソナリティが気に入っていること」「好きな声優がCVを担当していること」など、複合的な視点から推しキャラクターをつくることができ、それによってゲームへの没入度を高めていく。このことは、「手持ちキャラ・カードのレアリティの高さが育成に致命的な影響を及ぼさない」という、無課金・微課金にも優しい特性と相互に作用し、同タイトルが広く、長く支持される理由の一部となっているに違いない。

 今後は、フレンド対戦機能や、新たな育成シナリオの実装も予定しているという。リリースからほぼ毎週のペースでおこなわれてきた、ウマ娘・サポートカードの追加、ガチャラインアップの更新もおそらく続いていくだろう。最近では、グッズ界隈、コスプレ界隈も盛り上がりつつある。『ウマ娘 プリティーダービー』とCygamesにとっては、記録尽くめの1年となりそうだ。

■結木千尋
ユウキチヒロ。多趣味なフリーライター。
執筆領域は音楽、ゲーム、グルメ、テクノロジーなど。カルチャー系を中心に幅広いジャンルで執筆をおこなう。
人当たりのいい人見知りだが、絶対に信じてもらえないタイプ。Twitter:@yuuki_chihiro

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