日本人はなぜランボルギーニに惹かれるのか 守り抜く“伝統”とテクノロジー活用した“イノベーション”

日本人はなぜランボルギーニに惹かれるのか 守り抜く“伝統”とテクノロジー活用した“イノベーション”

 車好きであれば誰もが憧れるだろう“スーパーカー”。

 爆音を轟かせ、颯爽と道路を駆け抜ける姿が特徴的で、他のクルマとは一線を画す

 至高の存在として目に映るのではないだろうか。

 また、革新的で研ぎ澄まされたデザインや匠の技が結集したテクノロジーなど、スーパーカーならではの存在感を示す要素も兼ね備えている。

 まさに、見る者を魅了する最高峰のクルマと言っても過言ではないだろう。

 そんななか、スーパーカーの「トップオブトップ」に君臨するのがイタリアの高級スポーツカーブランド「ランボルギーニ(Lamborghini)」だ。

 鮮やかなボディカラーや猛牛のエンブレム、ハサミのように縦開きする独特のシザードア。

 常に時代の最先端を行くランボルギーニは、日本でもかつてのスーパーカーブーム以来、多くの人が「憧れ」を抱くクルマとして知られている。

 近年、日本経済の落ち込みが叫ばれて久しいが、ランボルギーニの販売台数で見ると日本は世界第2位の市場規模を誇るのだという。

 なぜ、これほどまでに日本人を惹きつけるのか。そして、コロナ禍で厳しい戦局が続くなかでどのような事業展望を見据えているのか。

 今回は、2020年9月1日にランボルギーニ・ジャパンのHead of Japanへ就任したDavide Sfrecola(ダビデ・スフレコラ)氏に、日本人がランボルギーニを愛してやまない理由や、今後の事業展望について話を伺った。

ランボルギーニの伝統や常に革新を追求する姿勢が日本人の心を捉えた

 そもそもなぜ、日本人はスーパー・スポーツカーブランドのランボルギーニに造詣を深めるようになったのだろうか。

 それには「ランボルギーニならではのユニークな『ブランドバリュー』や常に未来を見据える『ビジョナリー』の精神が大きく影響している」とダビデ氏は話す。

ランボルギーニ・ジャパンのHead of Japanを務めるダビデ・スフレコラ氏

 「ランボルギーニが日本の市場で、唯一無二のスーパースポーツカーとしての地位を確立できたのは、ランボルギーニの持つ世界観や伝統を守りつつも常に革新を追い求める姿勢が大きく影響していると思います。ランボルギーニの長い歴史の中で脈々と受け継がれてきた伝統やクラフツマンシップはもとより、時代の変遷に合わせてテクノロジーやデザインへの飽くなき追求、限界へ挑戦するマインドが日本人の感性に合うものだったのです。工場で1つひとつ丹精込めて生産するランボルギーニは、パッションに満ちあふれています。エクスクルーシヴなブランド体験を醸成し時代を切り開いてきたからこそ、日本でのプレゼンスを高めることができたのでしょう」

日本人の洗練された美意識とイタリア人の感性は通ずるものがある

 また、日本人が伝統やクラフツマンシップに対して尊敬の念を持ち、洗練されたプロダクトに対して造詣を深める人種であることもランボルギーニが日本で成功した要因であるという。

 「日本人の持つ製品のクオリティにこだわる姿勢や良いものに対してのリスペクト(尊敬)の念は、イタリア人の気質と非常に似ています。日本人の洗練された美意識やラグジュアリーを愛でる心があるからこそ、ランボルギーニの持つブランドのDNAを体感し、琴線に触れるものとして感じ取れる。そう捉えています。さらに、オーナーに対するきめ細かいサービスの提供やオーナー向けイベントの『Lamborghini Day』、ドライビングツアー『GIRO (ジロ)』といったライフスタイルに寄り添った形でのファンエンゲージメントを高める取り組みを行ってきたことで、日本の市場を活性化し、盛り上げることができたのだと思います」

 ランボルギーニの卓越した品質やイノベーティブなテクノロジー。

 そこにはある種の“美学”があり、日本人の心を揺さぶる独自のブランドバリューが存在する。

 野心的で孤高なスーパーカーは、いつしか日本人にとっての“憧れの車”として認知されるようになったわけだ。

“自分だけ”のランボルギーニをカスタマイズできるスタジオ。世界に先駆け日本にオープンさせたわけ

 ランボルギーニは、日本を他のグローバル市場と比べても重要な市場であると位置付けている。

 2020年10月29日には、ブランドの世界観を伝えるための発信拠点として「THE LOUNGE TOKYO(ザ ラウンジ トーキョー)」を六本木にオープン。

 注目すべきは、世界で初めてイタリア本社以外の場所に、ランボルギーニの内装や外装など、オーナー自身の個性を反映できるパーソナライゼーションプログラム「Ad Personam(アド・ペルソナム)」専用のスタジオを常設したことだ。

 グローバルに先駆けて「Ad Personam」を日本で展開することからも、いかに日本がランボルギーニにとって欠かせない市場であることが伺えるだろう。

 ダビデ氏は「ランボルギーニ本社の人間も、日本は常に意識している」とし、Ad Personam専用スタジオをオープンさせた背景についてこう答えた。

 「ランボルギーニを所有する日本人のオーナーは個性を大事にされる方が多く、『パーソナライゼーション』や『カスタマイズ』の要望に応えるため、Ad Personamプログラムを世界に先駆けて日本でローンチしました。自分の個性を反映させた、世界に1つだけのランボルギーニをカスタマイズできるこのプログラムは、オーナーのエキサイティングなカーライフを演出する一助になると考えています。さらにTHE LOUNGE TOKYOは展示会や新作発表会、デリバリーセレモニー、プライベートパーティーなど多目的で利用できるラウンジなので、新たな出会いの創出やランボルギーニの世界観を感じてもらえる場所になりうるでしょう」

コロナ禍では「One to One」の顧客体験を意識している

 昨年、世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス(COVID‑19)。未だ続くコロナ禍はビジネスシーンにおいて大きな影響を与えている。

 スポーツカーを取り巻く状況も、モーターショーやサーキットレースといった大型イベントが軒並み中止となり、如何ともし難い苦境にさらされている。

 感染拡大防止の観点から非対面接触の文脈が広がり、デジタルでのコミュニケーションがより重要味を増す中、ランボルギーニはウィズコロナの時代をどのように乗り越え、ビジネスを展開していくのだろうか。

 「コロナが突如として流行った2020年はビジネスプランを変更することに必死だった」と苦労を語るダビデ氏は、コロナ禍で個に向き合ったブランド・コミュニケーションを強化している点に言及した。


 「今までのような大人数が集まるイベントはできなくなったので、少人数のグループでの試乗会やラウンジを貸し切っての誕生日会など、小規模単位でのイベントを企画しています。特に意識するようになったのは『One to Oneの顧客体験』。ランボルギーニに関するスモールギフトをプレゼントしたり、オーナー専用のアプリ『UNICA』でライフスタイルイベントや新製品のプレビュー情報を送ったりと、オーナーのエンゲージメントを高め、顧客満足度を上げることに注力しています。今年は従業員やお客様の安心安全が大前提のもと、コロナの感染状況を鑑みながらAプランBプランをあらかじめ用意しておき、柔軟に対応していきたい」

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