『スーパーボンバーマン4』はなぜシリーズで異端視される? 暴走するダンシングピエロの狂気

ボンバーグレート弱すぎる問題

 『スーパーボンバーマン4』の対戦モードはノーマルゲーム(所謂、ストーリーモード)に登場する、ハンマーボンバー、ジェットボンバー 、レディボンバー、ボンバーバズーカから成る“ボンバー四天王”に加え、ボンバー四天王のリーダーであるボンバーグレートの5体の敵のボンバーマンを使用できる。

 これらのボンバーマンたちは各々に能力が備わっており、キャラ選びの段階から駆け引きを楽しめる。しかし、これらのボンバーマンの能力には大きな格差があり、とりわけ、火力を放ちながら高速ダッシュできるジェットボンバーが非常に強い。一応、スペック使用後には一定時間スピードや火力などがパワーダウンするが、そんなデメリットも気にならないくらいその能力は強力である。

 そして、最弱のスペックと目されているのがボンバーグレートである。ボンバーグレートは“一定時間無敵になれる”という能力があり、一瞬「結構強くない?」と思うが、無敵になっている時はその場に静止しなければいけない。さらに、ジェットボンバー同様、能力を使用した後はパワーダウンするため、無敵状態が解けた時に近くに爆弾を置かれ、逃げられずに簡単にやられてしまう。

 とは言え、制限時間が近づくとブロックが落ちてくる“サンドデス”では、このスペックは非常に効果的だが、逆に言うと、サドンデスにならないと使いどころがないスペックと言って良い。ボンバー四天王を束ねるリーダーが低スペックなことを鑑みると、「きっとボンバーグレートはリーダーシップに優れているんだ!」と思いたくなってしまう。

 このように、『スーパーボンバーマン4』は他のシリーズとは違う味わいがあり、カオスな要素もネタとして楽しむことができる。バランスに優れた近年のタイトルもいいが、機会があれば本作の理不尽さを味わってみてはどうだろう。

■網島レイビン
ライター、動画編集者、シナリオライターのアラサー男性。スーパードンキーコング2のBGMとカスタムロボV2が好きな懐古厨。Twitter:@amishima_ravin

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