Nintendo64で一番難しい? 不朽の名作『爆ボンバーマン2』について語りたい
高難易度のゲームと聞いてどんなタイトルを思い浮かべるだろうか。先日リメイク版が発売された死にゲーの先駆け的存在『デモンズソウル』だろうか。それとも、今なおその難易度の高さが語り継がれる『魔界村』だろうか。筆者は、高難度のゲームと聞くと、どうしてもNintendo 64向けタイトル『爆ボンバーマン2』を思い出してしまう。今回は、多くのプレイヤーの心を挫き、それでも色あせることのない魅力が詰まったこちらの名作ゲームについてご紹介する。
7つの属性の爆弾を使い分けるアクションゲーム
『爆ボンバーマン2』は、1999年12月3日にハドソンから発売されたNintendo64向けのアクションゲームだ。ボンバーマンといえば、見下ろし型のマップに爆弾を設置して戦うマルチモードのイメージが強い方も多いだろう。しかし、本作の魅力はなんといってもストーリーに沿って各ワールドをじっくり攻略する「ストーリーモード」にある。
本作のストーリーモードでは、ボンバーマンを操作してさまざまな惑星(=ワールド)を捜索していくことになる。その過程で「時空の七騎士」と呼ばれるボスと戦いながら、敵の本距離である「巨大戦艦ノア」を目指すのが大まかな流れだ。
ストーリーモードの目玉は、時空の七騎士を撃破した際に入手できる多様な属性のボムだろう。属性は炎・水・風・雷・土・光・闇の7種類あり、それぞれの特性を活かして攻略を進めていくことになるのだ。
たとえば、水の爆弾で湖を凍らせて足場を作れば、泳ぐことができないボンバーマンでも湖を渡ることができる。また、風の爆弾の爆風を利用すれば、高所から高所へと移動することが可能だ。これらの属性を使い分けた謎解き要素が、ゲームプレイに小気味いいリズムを与えているのである。
さらに、ストーリーモードには「ポミュ」というお助けキャラクターが存在する。ポミュはフィールドで取得できるエサの種類によってさまざまな形態へと進化し、戦闘を手助けしてくれるキャラクターだ。ポミュはCPU操作・2P操作のどちらにも対応しており、兄弟や友人と一緒にストーリーを進行できるのもいいスパイスになっていた。
圧倒的に不利な状況で戦うことになるボス戦
ここまで解説した『爆ボンバーマン2』の特徴は、一見するとカジュアルでライトゲーマーも十分楽しめるものにも思える。しかし、実際に遊んでみると初っ端からその難易度の高さに愕然とするだろう。というのも、ボンバーマンが最初に訪れワールドで戦う一人目のボスキャラ「ベルフェル」がかなりの難敵なのである。
そもそも、ベルフェルと戦闘するステージは水路に囲まれており、移動できるスペースがかなり限定されている。先述したように本作のボンバーマンは一切泳げないため、水路に落ちた瞬間ゲームオーバーだ。にも関わらず、ベルフェルはステージから落下してもノーダーメージで復帰してくるのである。
このような地の利を完全に握られた状態で、ベルフェルが容赦なく放つ炎の攻撃を回避しなければならない。さらに、そこそこの頻度で即死攻撃の突進までしてくるのだからタチが悪い。
しかも、お助けキャラであるはずのポミュは、ボス戦が始まればステージの隅でがたがたと震えるだけの置物になってしまう。協力プレイできるのはあくまでボスまでの雑魚敵との戦闘だけなのである。
もちろん、凶悪なボスはベルフェルだけではない。ハメ技級のコンボを多用する「モロク」、二種類の即死技を併用する「ベルゼバル」など、プレイヤーを泣かせたボスキャラが何人も存在するのだ。
加えて、本作のセーブシステムも難易度の高さに拍車をかけている。本作では8つのワールドが登場するが、ワールドクリア時点とショップで買い物をした段階でしかセーブが行えないのだ。そのため、件の難敵を含む一つのワールドをノーセーブでクリアする必要がある。また、ライフが尽きてしまった場合、ワールドの最初からリトライしなければならないため、ボスに何度も挑戦するにはかなりの根気が必要だった。