月間1億2000万人がテレビでYouTubeを視聴 CTV市場の拡大で広告枠をもつYouTubeに追い風か

 新型コロナウイルスの流行にともなって、ストリーミングサービスやゲームなど、テレビに接続して楽しむコネクテッドTV(CTV)市場は驚異的な成長を遂げている。そしてGoogleは、YouTubeでその成長の波に乗ろうとしているようだ。 

 米国のデジタルマーケティング企業『eMarketer』の調査では、2020年の米国のCTV広告費は81億ドル(約8800億円)だといい、2024年までには183億ドル(約2兆円)に達すると予測されている。しかし『eMarketer』によれば、視聴数が急増しているにもかかわらず、そのほとんどが、Netflix、Disney +、Amazonプライムビデオなどの有料ストリーミングサービスで、広告なしに視聴されている。これによってYouTubeは、プラットフォームを通じてストリーミング視聴者にリーチする余地があることを広告主にアピールできるのだ。

 YouTubeによると、視聴デバイスは依然としてモバイルが多数だという。しかし昨年12月には、YouTube視聴者の4分の1以上にあたる1億2000万人が、YouTubeまたはYouTubeTVをテレビ画面で視聴したそうだ。同社のチーフプロダクトオフィサー、ニール・モハン氏は、「昨年3月にはこの数字は1億人ほどだった」と語っている。 

 この視聴デバイスの変化に対処するため、YouTubeは、「2021年と2022年のアップフロント(広告枠の先行販売イベント)シーズンに初めて、ニールセン(視聴率計測システム)を利用してテレビで試聴されたYouTubeストリーミングの広告のインプレッションを計測できるようになる」と述べた。

 これにより広告主と、広告枠を販売するメディアは、テレビで視聴されたYouTube、YouTubeTVの視聴率を確認することができる。

 このYouTubeの新たな取り組みは、他のサービスではリーチできないユーザーにリーチできること、そして従来のテレビ広告との効果をより簡単に比較できるようになることを目的としているようだ。モハン氏は、「これはブランド(広告主)が求めていたものだ」と胸を張る。

 有料ストリーミングサービスがしのぎを削る中、広告枠をもつYouTubeは独自の路線を突き進んでいる。

(画像=Pixabayより)

■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。

〈Source〉
https://www.cnbc.com/2021/03/10/youtubes-mohan-to-pitch-advertisers-on-connected-tv-boom.html

関連記事