表現の“場”はリアルからオンラインへ DJカルチャーの構造変化は何をもたらすのか
xR、AI、バーチャル…。最先端のテクノロジーはDJの未来をどう創るのか
一方で、テクノロジーを駆使した新たなエンターテイメントも生まれてきている。
エンターテック(エンタメ×テクノロジー)を掲げるエイベックスと、クリエイティブカンパニーのネイキッドが共同で立ち上げた「HUMANOID DJ project」は、新たな音楽体験の可能性を模索するプロジェクトである。
これまでDJは、フロアの盛り上がりや客層などその場の“ノリ”を掴んでいわば感覚的に選曲を行なってきた。
無論、場数をこなすほどその感覚は研ぎ澄まされていき、オーディエンスが求める音楽をチョイスできるようになるわけだ。
他方、AI DJ「LUCY w/(ルーシー)」はイベント会場のオーディエンスの表情、性別、年代、感情を解析し、その場に合った音楽や映像の演出をリアルタイムに行うという、まさに人間とAIの融合がなす次世代のパフォーマンスとして脚光を浴びている。
将来的に人間とAIがタッグを組む形で行うDJが増えてくれば、パフォーマンスの幅がさらに広がるのではないだろうか。
また、バンダイナムコ研究所が開発した「BanaDIVE™ AX」は、AR技術を用いた臨場感あふれるビジュアル演出や、ゲーム向けに開発したAIと3Dキャラクターが織りなすDJプレイを可能にするライブパフォーマンスシステムだ。
バーチャル空間での没入感はもちろん、DJとオーディエンスの一体感、インタラクティブ性など様々な要素が連動し、ひとつのエンターテイメントとして昇華される。
最先端のテクノロジーは、「リアル」と「バーチャル」がクロスオーバーする新たな体験をもたらすことだろう。
それは、クラブでしか味わえない“高揚感”とはまた違う、“非日常感”を楽しむことができ、テクノロジーでしかなし得ない圧巻のパフォーマンスは、近い将来もっと身近な存在として目にする日が来るかもしれない。
大容量や多接続といった特長を持つ5Gが普及すれば、なおさらのことであろう。
バーチャル空間から次世代スターのDJが誕生する可能性も大いに秘めているのではないだろうか。
今後の技術革新に期待したい。
■古田島大介
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、ライフスタイル、エンタメ、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。
<ソース>
https://note.com/eisukemizuguchi/n/n932136d2c9e4
https://block.fm/news/twitch_copyrightclaims
https://realsound.jp/tech/2020/12/post-681656.html