テスラ、米電気自動車市場におけるシェア低下 フォード「マスタング・マッハE」好調の影響受け

 米国の電気自動車市場におけるテスラのシェアが、前年比12%低下したことが明らかとなった。

 モルガン・スタンレーのレポートによると、テスラの米国でのシェアが、前年の81%から69%に低下したという。ただ、フォードの「マスタング・マッハE」が売上を伸ばしているためで、同社の販売台数は依然増加している。

 モルガン・スタンレーの分析では、より多くの自動車購入者が電気自動車の購入を検討しているという。米国での2月の電気自動車販売台数は、前年比で34%増加している一方で、従来のガソリン車の販売は5.4%減少している。

 「マスタング・マッハE」は1月に「北米ユーティリティオブザイヤー」を受賞しており、業界のアナリストや初期のテスターからも好評を博している。

 テスラのCEO、イーロン・マスク氏は、Twitterで「テスラとフォードは、数ある自動車スタートアップの中で唯一、破産しなかったアメリカの自動車メーカーだ」とフォードを称えた。続けて「プロトタイプを作成するのは簡単で、生産は難しく、キャッシュフローをプラスにするのは極めて大変なこと」と自動車産業の構造に言及した。

電気自動車業界の競争激化でテスラの成長を疑う専門家も

 テスラの投資家で、元取締役のスティーブ・ウェストリー氏は「テスラが永遠にトップの座を守り続けるのは難しいだろう」と米メディア『CNBC』に語った。ゼネラルモーターズやフォルクスワーゲンなどのレガシー企業だけでなく、スタートアップ企業の参入も目覚しく、電気自動車産業の競争が激化しているからだ。

 またコンサルティング会社「JD Power」が今年2月に行った、新車購入者を対象とした調査では、「電気自動車の購入を検討している多くの人々がテスラ以外の企業を検討している」ことが明らかとなっている。

 それでも同社のシェアはここ1年間で650%以上拡大しており、2020年の収益は315億ドル(約3兆4200億円)に増加している。

 また生産力を拡大するため、新しい組立工場の建設にも意欲的だ。2019年に上海にGigafactory 3を開設し、2020年の中国でのテスラの売上高は2倍以上となっている。

 米投資会社「Wedbush」のアナリストは、「中国は電気自動車市場の成長の要である」とし、「テスラはGigafactory 3の建設によって中国市場で資源的に大きな優位性をもっており、2021年から22年にかけて、目を見張るほどの需要増加が見込めるだろう」と語った。 

 米国でのシェア低下も、中国市場はテスラにとって明るいようだ。

■堀口佐知
ガジェット初心者のWebライター兼イラストレーター(自称)。女性向けソーシャルゲームや男性声優関連の記事を多く執筆している。

〈Source〉
https://www.businessinsider.com/tesla-losing-electric-car-lead-ford-mustang-mach-e-sales-2021-3
https://twitter.com/elonmusk/status/1367611973697818628
https://www.cnbc.com/2021/03/02/tesla-wont-be-king-of-the-hill-forever-ex-board-member-steve-westly.html
https://www.businessinsider.com/tesla-investor-says-elon-musk-faces-lots-electric-car-competition-2021-3