Microsoft、複合現実プラットフォーム「Microsoft Mesh」を発表 『ポケモンGO』のコンセプト動画も公開
海外メディアのさまざまな反応
Microsoft Meshに対する海外メディアの反応はさまざまである。オピニオンメディア『Tech.pinions』が3日に公開した記事は、同プラットフォームに好意的だ。この記事では、Microsoft Officeのような伝統的なビジネス系アプリと、Zoomのようなリモートワークの普及に伴い台頭してきたアプリのUX(User Experience:ユーザ体験)が互いに異質であることを指摘したうえで、Meshはリモートワークに関して統一されたUXを提供する、と評価している。
テック系メディア『PCMag』が2日に公開した記事は、Meshには前途多難な未来が待っていることを論じている。同プラットフォームが普及するにあたっては、以下のような3つの障害が考えられる。
1つ目は、ARデバイスの価格である。現状ではHoloLens 2が同プラットフォームに対応しているが、その価格は422,180円であり、一般消費者が簡単に買えるようなものではない。一般消費者が買えるような本格的ARデバイスの登場までには、まだ多くの時間がかかるだろう。
2つ目が、通信インフラ環境である。同プラットフォームの性能を遺憾なく発揮するためには現状の4G通信網では力不足であり、5Gの普及が不可欠である。しかし、5Gが当たり前に使えるようになるまでには、やはり時間がかかる。
3つ目がAppleの存在である。同社は水面下でARメガネを開発中であることは、もはやテック業界では周知の事実である。2023年あるいは2024年にリリースされると噂される同メガネは、同社が最高にクールと考えるUXを提供するものになるだろう。そんな同メガネが誕生した時、果たしてMeshは対抗できるだろうか、とPCMagの記事は疑問を呈している。
Microsoft Meshがプラットフォームとして普及するかどうかは予断を許さないが、XR技術の新たな可能性を示しているのは間違いないだろう。
トップ画像出典:Nianticブログ記事「Microsoft社と共にソフトウェアとハードウェアの未来を探究」より画像を引用
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi