家具のサブスクサービスは主流となり得るのか? 無印良品の参入から考える
家具のサブスクはじわじわと浸透する
とはいえ筆者は、家具のサブスクが失敗するとはいい難いと思う。なぜなら、高級家具や好きなブランドの家具を一定期間、格安で購入できる点はやはり一部のユーザーには大きなメリットといえるからである。
例えば、「オフィス家具のレンタル」という需要。オフィスには社員がいたり来客があったりと、ある程度体裁をと整える必要がある場合がある。その際に家具を購入するのではなくレンタルすることで、導入コストを抑えて高級感のあるオフィスを作ることができる。
また、転勤の多いユーザーにとっても非常にメリットが大きい。頻繁に転勤する必要のある仕事の場合、都度レンタルを利用することで引っ越しのコストが大幅に削減できる。
新型コロナウィルスの影響で増加した在宅ワーカーにとっても、このサービスは魅力的かもしれない。在宅時間が増えて外出時間が減ることで、家での環境をより改善したいと思う事は自然だ。購入するほどでもなくても、一度レンタルしてみようと試せるというメリットもある。
このように、家具のサブスクはただちに主流とはなり得ないかもしれないが一定の需要があるため、ユーザー数はじわじわ上昇していくだろうというのが筆者の見解だ。
ユーザーが導入方法を選べる時代に
様々なサブスクリプションサービスの増加により、ユーザーには「買って使う」または「シェアする」と言った、利用方法の選択肢が増えてきた。今回の家具のサブスクサービスにもそれと同じことが言える。
これからの時代は、欲しいものを欲しい時に、好きな方法で手に入れることができる。そのこと自体、単純に自由度が上がり喜ばしいものと言えるだろう。
また、各種シェアリングサービスの流行は近年問題視される消費社会への対策の一つとしても注目されている。このことは「1980年代からアンチ消費社会を謳ってきた」とする良品計画が今回、家事のサブスクサービスを始めた理由の一つにも挙げているのである。
家具のサブスクサービスはまだまだ発展途上だが、これを機に利用を検討してみてはいかがだろうか。
■長門繭
フリーライター兼イラストレーター。ブログ運営を中心に2016年からライターとして活動を開始し2018年に独立。エンタメ系、旅行、テック、時事など得意分野は幅広い。現在はイラストレーターとしても活動中。
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