北欧風オープンワールドサバイバル『Valheim』はなぜ、2021年最初のトレンドタイトルとなったのか

『Valheim』はなぜヒットしたか

 2月2日にアーリーアクセスがスタートしたインディーゲーム『Valheim』が話題を呼んでいる。

 配信開始から約1週間後の2月10日には、100万ダウンロードを達成。その後も勢いは増し続け、15日には200万ダウンロードも突破した。

 『Valheim』とは、いったいどのようなタイトルなのか。概要を紹介しつつ、同タイトルの魅力へと迫る。

北欧神話をベースにしたオープンワールド・サバイバルアドベンチャー

Valheim PC Gamingshow 2020 Reveal Trailer

 『Valheim(ヴァルヘイム)』は、スウェーデンのインディーディベロッパー・Iron Gate ABが開発したオープンワールドのアドベンチャーだ。舞台となるのは、北欧神話をベースにした自然豊かな大地。プレイヤーはそこでひとりのヴァイキングとなり、裸一貫からサバイバル生活をスタートする。ゲームの目的は、Valheimの世界に秩序をもたらすことである。そのために素材の収集や道具の作成などをおこないながら、活動範囲を拡大し、敵の討伐へと進んでいく。

 同タイトルは、10人までのオンライン協力プレイに対応しているが、開発によると、「3~5人でのプレイがベスト」であるとのこと。武器を振るう、走るといった根源的なアクションのみで、何もないところから成長を積み上げ、目標への到達を目指していく。そんなアドベンチャータイトルが『Valheim』である。

まるで「マイクラ×エルダー・スクロールズ」?
『Valheim』のインプレッションを支える“屈指の没頭性”

 『Valheim』のインプレッションをわかりやすく例えるならば、RPGやアクションなどのジャンルと融合した『マインクラフト』といったところだろう。サンドボックス色の強いゲーム性に、より目的意識の高いジャンルの特性をプラスした同タイトルは、オープンワールドシステムやスキルレベルによる成長、より現実に近いキャラクターの挙動などから、『エルダー・スクロールズ』シリーズにも似たプレイ感を持っている。

The Elder Scrolls V: Skyrim 紹介映像

 開始した時点では限られている行動の選択肢も、ゲームが進むにしたがってどんどんと増えていき、プレイヤーは置かれる状況とそれに対する解決策のバリエーション、成長するキャラクターと自身の性能などから、進展を実感していく。0からスタートするゲームであるがゆえ、こうした体験の積み上げがプレイヤーを『Valheim』の世界に没頭させ、気づけば睡眠時間がなくなっているという寸法だ。

 無理をして未開の地を探索すると、見たことのない敵が現れ、行動パターンが読めないうちに倒されてしまう。そんな絶妙なレベルデザインも秀逸である。「あのモンスターを倒すには何が足りないのか」「倒した先には何が待っているのか」と想像を巡らす時間も、同タイトルのプレイの醍醐味だ。

 また、(おそらく開発者が狙っているであろう)チュートリアルの少ないやや不親切な設計も、世界観への没入に必要不可欠なスパイスとなっていることを忘れてはならない。こうした要素のマリアージュにより、世界中のプレイヤーは『Valheim』に夢中になっているのではないだろうか。

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