米ネット掲示板ユーザーが結束し、ゲーム店の株が急騰 空売りファンドに大打撃

  米国のコンピューターゲーム小売店、GameStopの株価が急騰し、空売りファンドが大きな打撃を受けた。現在も乱高下を繰り返しており、事態は混沌を極めている。

個人投資家の結束にで株価が急変動 取引制限でアプリが炎上

 昨年の5月には、GameStopの株価は1株あたり5ドルを下回っていた。しかし今年1月中旬頃から高騰し始め、一時483ドルを記録するも、その後すぐに55%も急落するなど不安定な状態が続いており、1月29日時点では325ドルとなっている。

 事の発端は、米ネット掲示板、Reddit(レディット)の株取引コミュニティWallStreetBets(ウォールストリートベッツ)にて、個人投資家たちが結束し、GameStop株を“爆買い”したことに始まる。その結果、空売り(※)していた投資家たちは数億ドルの損失を被ることとなった。

※手元にない株式を売る契約をすること。株価が下がることで利益を得る。

 米ヘッジファンド、シトロン・リサーチの創設者、アンドリュー・レフト氏は、GameStop株の大幅下落を見込んでいたが、同銘柄の急騰を受け、「100%の損失で買い戻した」とYouTubeで語っている。ロイターの報道によれば、レフト氏は現在ネット上での嫌がらせや、脅迫といった被害に見舞われているという。

 以前から空売り投資家は、株式市場をコントロールしているとしてたびたび批判されてきた。今回の騒動も、個人投資家たちが空売りヘッジファンドへ一石を投じる意図があったと見られている。

 一連の騒動を受け、取引の主戦場となった株取引アプリRobinhood(ロビンフッド)は、1月28日、突如GameStop株を含む50銘柄に購入制限をかけた。これに個人投資家たちは「自由な取引を妨害する行為だ」と激怒、政治家や著名人からも批判の声が上がるなど、火に油を注ぐこととなった。現在は8銘柄にまで制限は緩和されたものの、依然GameStop株や、乱高下の渦中にある銘柄には制限がかけられている。

 同社の対応を巡って、取引制限への損害賠償を求める集団提訴が行われる見込みだという。

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