アメリカ大統領選、Twitterで誤情報を流した男が逮捕
今年度のアメリカ大統領選挙活動期間、TwitterやFacebookなど多くのSNSは選挙に関する誤情報を厳しく取り締まった。投稿内容には記述された情報の信憑性を問うメッセージが追加され、「選挙に関する誤情報を流している」として、多くのアカウントが凍結。今月頭にトランプがTwitterや様々なSNSから禁止されたのも記憶に新しい。
そして今週1月26日には、Twitterを通して誤情報を流通させたことが「選挙妨害である」という罪により、Douglass Mackey容疑者がフロリダ州で逮捕された。これはアメリカ国内において初めてのケースであり、最高懲役10年の罪となっている。
Mackey容疑者はTwitter上で「Ricky Vaughn」というユーザーネームを利用し、2016年のアメリカ大統領選挙の投票方法に関する誤情報を流していた。本来、郵便投票か直接投票しか受け付けないアメリカ全土の選挙方法において、携帯のテキストメッセージを通して投票ができるという情報をツイートすることによって、約4900票を無駄にした。このTwitter上での行動は「抑制」や「脅迫」によって憲法の下に保障されている個人の権利(投票)を侵害する行為として告発されている。
Twitter上でのアイデンティティから起訴まで
今回の誤情報は、Mackeyの支持する共和党の対抗馬、つまりヒラリー・クリントン率いる民主党支持者たちに向けたものであった。利用していたRicky Vaughn下のアカウントでは、巧妙に作成された偽のヒラリーのキャンペーン画像と共に、「携帯メッセージで投票ができる」と番号を記載。同時に投票当日はTwitterやFacebook上でハッシュタグと共に投票が可能という誤情報も流していた。
選挙一週間前に入り、Twitterはこれらの誤情報を全て削除し、Ricky Vaughnのアカウントも削除していた。しかし、この時点で誤情報はかなりの規模で拡散されており、実際に投票者たちの投票行為を侵害していた。5万8千人ほどのフォロワーがいたRicky Vaughnアカウントは、選挙の誤情報以外にも白人至上主義や反ユダヤ主義などを大々的にツイートしており、関係者は「Mackeyは炎上するのを楽しんでいた」と話している。
Mackey容疑者は2014年から2018年の間に4つほどのTwitterアカウントを作成していたとされており、アカウント削除をしても再びオンライン上に戻り、同じ行為を繰り返していたことがわかっている。また、今回のターゲット層として偽キャンペーン画像やスペイン語のツイート内容から、アフリカ系アメリカ人やヒスパニック系の人口層に向けて誤情報を流していたとみられる(例:https://www.buzzfeednews.com/article/charliewarzel/twitter-doesnt-think-this-attempt-to-disenfranchise-voters-v)。