“あの人のゲームヒストリー”第十五回:宇内梨沙
「勇気はゲームが育んでくれた」 TBS・宇内梨沙アナウンサーが語る“ゲームへの愛情と実況ch開設の経緯”
“レベルアップしていく感覚”で色んな仕事を楽しめる
ーー番組でも度々お世話になっております。でもゲストとして私自身、出演して感じたんですが、話すのが正直苦手な頃でもすごく楽に話せたことは印象に残っています。
宇内:『アトロク(アフター6ジャンクション)』で宇多丸さんと話していても、噛み合ったトークの流れが作れた時なんかは「今の気持ちよかったね!」と目が合います。私の質問が良かった時は、宇多丸さんも無言で「うんうん」って頷いてくれるんです。それがすごく嬉しい。とても器の大きい方で、他の方だったら失礼になってしまう言葉や態度をとっても、ただ受け止めてくれるだけじゃなくて、乗せて返してくれるんですよね。だからこそゲストを迎えてのトークも盛り上がるんだと思います。
ーーお二人の掛け合いはいつも微笑ましく聞いております。寛容ということでしたら、宇内さんのチャンネル自体をTBSさんが制作していることに驚きました。
宇内:私自身、お伝えしたようにゲーム実況も見てきましたし、YouTubeに挑戦したい気持ちはずっとありました。映像コンテンツとしての可能性も感じていたので、ここに乗りたいとは実は2年前からTBSに伝えていたんですよね。ただテレビとYouTubeは競合してしまうという懸念もあって、なかなか実現には至らなかった。そんな中、コロナによってネット動画の需要が急激に高まったこともあり、改めて私も所属している「eスポーツ研究所」という部署の中で実現できないか模索しました。自分たちのチャンネルを育てていけば、やがて会社にとっても大きな財産になると訴えかけて。eスポーツ研究所にはメンバーが15人いるんですが、全員他の業務と兼務する中で、その中心メンバーと少しずつ会社を説得してやっと実現したんです。本当に多くの方に支えられました。
ーー最後にうかがいたいんですが、ゲーム好きで感情を出していく宇内さんと、プロとして毅然とアナウンサーをされる宇内さん、同じインタビューで色々な側面を垣間見ることができたのですが、どちらの自分が好きとか考えられたりしますか。
宇内:うーん、両方楽しいんですよね。素の自分でゲームをするのも楽しいし、求められた仕事をちゃんとこなすのも楽しいし。色々やると自分の頭もパンクしそうになるんですが、それでも上手くいったときは成長を噛み締められてやりがいを感じます。例えば「ご覧のスポンサーの提供でお送りしました」と言うだけでも、最後の「た」の音程が理想的だったりすると達成感を感じます。
ーー色々な仕事の形でも楽しいと感じられるんですね。
宇内:一種のゲームみたいなものだと思うんですよ。できなかったことが、少しずつできるようになっていく。レベルアップしていく感覚ですね。だから楽しいんだと感じられるのだと思います。