2020年を席巻した石橋貴明のYouTube 人気の理由は「コンプラ破壊」ではない

 YouTubeで輝いているのは、彼の破天荒さやコンプラへの対抗より、今まで取り上げられることの少なかった真面目さ、人間性かもしれない。

 9月には、YAHOO! JAPANのインタビュー企画「RED Chair」に出演して話題に。視聴数は500万ビューを超えている。ここでも「基本準備はしっかりするタイプ」といい、若き日に倉本聰に言われた「お前は不器用だな。でも、一生懸命やり続けるとその不器用が武器になることもあるからな」という言葉を大切にしていると明かす。

 コンプラ論争の象徴として取り上げられることが多く、最初からその役回りを期待されて出ることも少なくない。しかし、元来はこういった実直な面も併せ持っていた。それがYouTubeという、肩肘張らない空間で光り始めているのかもしれない。逆に、コンプラを壊そうとした時の彼の行動は、テレビ以外の場でもやはり批判を浴びている。

 石橋貴明は「YouTubeはコメントから反応がわかるのが面白い」としきりに語っている。同時に始めたTwitterでも、リプライを細かく読んでいるという。それも彼の実直さであり、コメントの反応を見ながら、自身やチャンネルの質をさらに高めていくのではないか。テレビ時代には出来なかったことだ。

 そう考えると、2021年の貴ちゃんねるずはさらに勢いを増す余地がある。いわゆる“流行りのYouTube企画”を一切やらない貴ちゃんねるずは、ますます唯一無二のチャンネルになっていくだろう。

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