YouTuberヒカル、2020年は大きな転換点に 縦横無尽の“人助け”で存在感示した1年を振り返る
2020年のヒカルの活動を一言でまとめると、「人助け」に尽きるのはないだろうか。
宮迫博之を筆頭にYouTube進出した芸能人のコンサル的立ち位置を獲得し、アーティスト・村上隆とのコラボを成功させる一方で、旧知の仲である姫路のゲームショップ・遊楽舎の「ヒカル支店」を秋葉原にオープン。自身のブランドとシューズメーカーロコンドとのコラボでは「ヒカル砲」で株価を上げ、てんちむやエミリン、ヘラヘラ三銃士ら、勢いのある若手女性YouTuberをフックアップし、コロナショックでツアー中止に追い込まれたレペゼン地球のために一億円をポンと渡し、ドナルド・マクドナルド・ハウスや赤い羽根募金への寄付活動も行うという縦横無尽の活躍ぶりだ。
イマイチ盛り上がりに欠けていた「新生NextStage」(ネクステ)も、撮影スタッフを兼任していた実兄のまえっさん(まえす)を撮影専任に戻し、トーク力に長けている相馬トランジスタ(元へきトラハウス〜ヘキちゃん☆トラちゃん)を加入させたことで、テコ入れに成功している。気がつけばカル×ピンは3月末にしれっと解散しているわけだが。伸び悩んでいる部分には「テコ入れ」or「損切り」する嗅覚はさすがである。
火事と喧嘩は江戸の華的に、YouTubeと炎上は切っても切れない関係である(浮気から違法行為まで「炎上」とまとめる風潮には疑問はあるが)。とはいえ、大規模な炎上以降数字を伸ばするYouTuberは意外と少ないが、ヒカルの場合は今年8月に発表された、YouTube対象「インフルエンサーパワーランキング2020」(株式会社BitStarの調査)のチャンネル総再生数では東海オンエア、フィッシャーズに次いで3位にランクインという快挙を達成していた。
先述したレペゼン地球だけでなく、ヘラヘラ三銃士のありしゃんが経営するサロンが赤字を抱えた際も、彼女たちとゲーム配信をし収益をヘラヘラ三銃士側に渡し、元所属先であるVAZと人気インフルエンサーのねおがトラブルになった際もねお側につき、てんちむが返金騒動で多額の負債をかかえ銀座のクラブでホステスを始めた時もシャンパンを入れるなど、「頼れる兄貴分」のイメージを定着させた。これらの救済についても「お互いにメリットがないとやる意味がない」「同じ会社を経営する身として」と、あくまで施しているわけではない、対等な関係であるというスタンスを貫いている。
ここがヒカルの面白いところなのだが、一見オラついているわりには男女関係なく仲間に対しては「対等な関係」を強調している。ヤンキー的な成り上がりセンスの持ち主であることは間違いないのだが、こういう点では現代的な感覚を持ち合わせているように思う。