デジタルとリアルの融和で“最終的に残るリアル”とは? 街とテクノロジーの役割を考える

デジタルとリアルの融和で“最終的に残るリアル”とは? 街とテクノロジーの役割を考える

 11月7日から15日まで『SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2020』が開催された。本稿では、10日に実施のカンファレンス「エンタメテックの現在進行形」の後半から、主に「デジタルとリアルの融和 社会の変化と役割」の一部を記す。

通信会社やコンテンツ会社の役割 デジタルなくしてリアルはない

 登壇したのはカヤックの天野清之(カヤックアキバスタジオCXO)、KDDIの中馬和彦(経営戦略本部ビジネスインキュベーション推進部部長)。モデレーターは渋谷未来デザインの長田新子(理事・事務局次長)が務め、まず各社の役割について訊ねた。

KDDIの中馬和彦(経営戦略本部ビジネスインキュベーション推進部部長)
KDDIの中馬和彦(経営戦略本部ビジネスインキュベーション推進部部長)

中馬:今の僕らの役割は、全てにおけるファーストウィンドウだと思っていて、何かをする時に新聞を見るとかテレビを見るとかじゃなくて、まずスマホを見る。そこから全てのものが起点で始まって、検索してお店に行くなど、リアルに展開されていく。今日の話もバーチャルで完結する、ネット配信だけ、ネットライブだけというのが増えてくると、スマホで完結してしまうので、その比重は上がる。スマホがトリガーというだけではなく、専従というのがあるし、リアルになるというのもある。

 今後、世の中が大きく変わっていく第4次産業革命とか言われているが、デジタル×リアルというより、デジタルなくしてリアルは進化しないんだと思う。農業とかですらも、農地に行かずに遠くからエサを与えたり肥料を与えたりとかできてしまう。そうしないと生き残れないし、もっというと品種も畑ごとにとか、より工業化していくみたいなことも含めて、通信というよりもデジタル技術が、全ての産業やみなさんの生活の中に入っていく過渡期だと思う。

 その時に僕らはエンターテインメントが大事だと思っていて、楽しいとかワクワクするところで始まる農業や生活があってもいいと思う。会社で働くのが大変などではなくて、そういうのがエンターテインメントのくくりに入っていって、全ての価値観が変わる。お金稼ぎではなくて好きなことを楽しんで対価をもらうという、本来あるべき姿に戻っていくような気がしていて、そういうものの先鞭をつけるというか、引っ張っていく役割になってきたという位置づけかなと思っている。

 それから中馬は「スタートアップの人たちは、インターネットの技術を使って特定の産業やサービスをアップデートしていきたいと言う。僕らが社会全体でやろうとしていることを1つ1つ切り取ったものがスタートアップなので、それを大きな群れにするというか、ムーブメントにするかというとこが、お手伝いできることかなと思っている」と続けた。それを受けて、天野は「ITにつながれたものをどう面白くするかというのが僕らの役割だと思っているので、面白いと思ってもらえるものを作るように心がけている」と応じた。

カヤックの天野清之(カヤックアキバスタジオCXO)

 天野:IT企業の持っていた技術というのが、どんどん色んな分野に活用されるようになってきていて、全てがインターネットにつながっている。デジタルなくしてリアルはないところまで来ていて、情報速度と生活速度が密接になった時に第4次産業革命が起こるような話らしいが、その時は人間がやらなくていい労働を機械がやってくれて、別の余った時間を自分たちがやるべきことに使うということだと思う。それは苦労ではなく楽しいことに使っていくことだし、人間の与えられた時間を楽しい時間に変換して生きていけるようにした方がいい。

 『IOWN構想-インターネットの先へ』という本にも触れられている話だが、どうやら人は自由になると仕事を作る生き物らしい。eスポーツ選手も新しい仕事だと思うが、ゲームとして楽しんでいたものを競技にすることで仕事になっている。100年前は今みたいなゲームがなかったので、そういうことは起こらなかったが、労働として機械が肩代わりしてくれる分、新たな仕事が生まれてくる。仕事の定義であったり、遊びの定義であったりをどこに置くかで変わってくるが、農業でも田んぼに苗を植えるのが機械でも、遠隔のUIがゲーム的であってもいい。

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