YouTuber・カオルが日本人にも韓国人にも愛される理由 「Kaoru TV」で見せる“等身大”の魅力を分析

 日本人として韓国の魅力を自身の視点から紹介し、いまやチャンネル登録者数78万人越えの人気YouTuber・カオル。2016年にYouTubeに動画を投稿し始めた彼女は、一番人気の韓国市場食べ歩き動画から、韓国関連の情報・商品の紹介、モッパン(食べる様子を配信すること)のライブ配信までを行い、韓国のリアルを日本人向けに発信している。今回は、彼女がなぜ、日本人のみならず韓国人の視聴者の間でも絶大な人気を誇り、唯一無二の存在感を放っているのか、その魅力を紹介したい。


 カオル(本名非公開)は1991年8月19日生まれの日本人YouTuber。以前までは月一で韓国に行き動画を撮影、帰国して動画編集をするという生活を行なっていたが、現在は韓国で生活しているようだ(https://www.youtube.com/watch?v=L2FHx-NemmY)。元々アメリカの大学に通っていたが、のちに第二外国語で選択していた韓国語に興味を持ち、バイト代を貯めて韓国に留学、現在は現地の韓国人でも全く日本人だと気が付かないほど韓国語に堪能だ。


 一番人気コンテンツであろう「韓国市場食べ歩き動画」は、観光では行かないようなところも訪れて、各地の良さが伝わるさまざまな食べ物を紹介する。中には韓国人視聴者も「まだ行ったことない」「そんなところあったんだ」と驚くほどディープな市場まで訪れ、(急に)話しかけてくれる屋台のおじさん・おばさんと仲良くおしゃべりをしたり、クセの効いた通りすがりのおじさんに愛あるツッコミを入れたりするのも面白くて見飽きず、韓国人を好きになるきっかけにもなっている。また、彼女は動画内で、丁寧に目的地の最寄りから道順を紹介してくれるので、それを頼りに実際に訪れるファンも多く、まさに韓国市場の日本人フロンティアである。


 日本と韓国の橋渡しのような役割を果たしていると言えるカオルだが、では彼女の動画が「韓国はなんでも最高! 全部良いしみんな人が良いし全部美味しい!」といった安直な紹介の仕方をしているのかといったら、決してそうではない。商品の紹介にしてもあくまで彼女視点で良し悪しをきちんと判断して伝えてくれるし、食べ歩き動画でも、酷評することは絶対にせずに、「思ったより重いな」「美味しいけど、もう一回食べるかって言ったら食べない(笑)」と素直に意思表示をしてくれるので、視聴者の信頼を確率している。また、コメントの的確さとコミカルさが絶妙で、動画を一瞬を見終わったかのように感じさせてしまうのが、彼女にしかできない技なのである。むしろ、彼女がそうやって紹介してくれるからこそ、普段韓国といったらK-POPのイメージくらいしかなく、リアルに触れる機会がないような視聴者でも、「韓国も日本と同じ、いろんな文化や人を抱えた一つの国なんだ」ということが理解できるようになっているのだろう。


 その他ナイトルーティーン動画や美容院動画など、さまざまな動画をほぼ毎日アップしている彼女。韓国での日々の暮らしを、飾らず、かつとてもコミカルに伝えてくれる彼女の動画がアップされる19時45分が、毎晩楽しみである。

(画像はTwitterより)

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