動画世代が考える「翻訳」のいま 趣味で翻訳を行うファンが語る、“ファンtoファン”でできること

趣味で翻訳を行うファンが語る、“ファンtoファン”でできること

YouTubeの自動翻訳機能について

左:字幕設定がない 右:字幕設定がある「Subtitles/CC(1)」

 一応、YouTubeの自動翻訳機能で日本語字幕をつけられる場合がある。YouTubeアプリ内で表示することはできないのだが、WebブラウザからYouTubeを立ち上げて、URLの左にある「AA」という表示を開くと、「デスクトップ用ウェブサイトを表示」というボタンがあるのでクリックする。次に再生画面の設定ボタンを押し、もしそこに「字幕設定」自体があったら、その動画は日本語の自動翻訳をつけることができる。(写真のように、字幕設定がない場合は諦めるしかない。)


 もし、字幕設定はあるが日本語がなかったとしても、一度他の言語に設定して、もう一度字幕設定のボタンを押すと、「自動翻訳」(写真では「Auto-translte」)が出てくるはずだ。


 この「自動翻訳」をクリックすれば世界各国の言語が表示されるので、日本語を設定することで、日本語字幕で動画を再生することができる。

 また、このように日本語の動画を他言語で見ることもできる。

 ただ、見てもらえればわかるように、会話のニュアンスがさっぱり伝わってこない。間違っている表現も多いだろう。2020年時点での自動翻訳の限界ではあるが、やはりファンならば細かいところまで知りたいと思ってしまう。取材した彼女は、BTSの公式YouTube動画に関して、「意外と他の事務所のコンテンツは日本語字幕があることが多いのに、ビッヒ(BTSの事務所)は頑なに英語オンリーなのもどうにかしてほしい」「韓国語字幕もついてないし、『Learn Korean with BTS』(BTSの事務所が展開する、グローバルファンに向けた韓国語教材)してるなら、せめて韓国語字幕をつけてから英訳をつけて」と嘆いていた。

ファンダムはアーティストのために何ができるか

 彼女が指摘したように、「翻訳は暴力」という側面は確かにある。だからこそプロの翻訳家にも厳しい目を向けられることが多く、いろんな文化表現の翻訳がなされるたびに意見が飛び交う。そんな「翻訳」を一般人に任せるのは、さまざまな危険性をはらんでいることは確かだろう。

 しかし、アーティストの良さや好きになる要因をよく理解しているのは、他でもないファンである。アーティストのことが好きな人を増やすために、言語の壁を乗り越えるようとすることは、ファンダムがアーティストにできる最大限の貢献の一つだ。その上でアーティストは、 “自分たちの表現を拡散する方法”をいくつも考えていく必要がある。動画と翻訳、歌詞と翻訳。これからさらに開拓される必要がある分野ではないだろうか。

(画像はPixabayより)

参考文献
・YouTubeヘルプ
https://support.google.com/youtube/answer/6054623?hl=ja
https://support.google.com/youtube/answer/6052538?hl=ja
・note Youtubeでの字幕協力のしかた(基本的なこと)https://note.com/aa_junk/n/nf1df12367209

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