2025年までにXBox Series X/Sは約4,000万台売れる? ゲーム市場の未来に注目

 11月10日、Xbox Series X/Sが発売された。11月12日にはPS5が発売される。今年は次世代ゲーム機が登場するだけではなく、大手テック系企業が提供するクラウドゲームサービスも発表された。これからゲーム市場はどこに向かうのか。この疑問に関して、様々な統計と予測を集めて検証してみたい。

Project xCloudは2021年前半に提供

 Xbox Series X/Sの出荷数予測に関しては、多様なニュースソースを発信するメディア『Business Wire』が10月5日付の記事で報じている。この記事のソースとなっている調査会社Strategy Analyticsのレポートによると、2025年までにXbox Series X/Sは4,040万台出荷されると予想されている。

 Strategy Analyticsのテレビ&マルチメディア分析部門のディレクターMichaelGoodmanによると、Microsoftは次世代ゲーム機を販売するビジネス戦略に関して、新たな方針を打ち出すと見られている。その方針とは、クラウドゲームサービスを重視する戦略へのシフトだ。

 Microsoftが提供するクラウドゲームサービス「Project xCloud」に関しては、9月24日、東京ゲームショウ 2020において、2021年前半には日本での提供を開始すると発表された。同サービスはXbox Game Pass Ultimateに統合されて提供され、月額1,100円となる予定だ。対応デバイスはPC、Xbox、そしてAndroid端末である。iOS端末への提供開始には、まだ時間がかかると見られている。というのも、Appleがストリーミングゲームサービスを容認するようにApp Store Reviewガイドラインを更新したものも、配信されるゲームごとにアプリ審査を通す必要がある、という高い参入障壁を設けているからだ。

成長が予測されるゲーム市場

 Xbox Series X/Sが発売される前日の11月9日、様々なデータをグラフやインフォグラフィックで発信しているメディア『Visual Capitalist』はゲーム市場にまつわる各種データを報じた

 周知の通り、ゲーム市場はコロナ禍であっても悪影響を受けていないため、市場規模を拡大している。こうした成長傾向は今後も続き、2022年には世界におけるゲーム機市場の売上は608億ドル(約6兆4,000億円)に達すると予想されている。

 様々な娯楽を楽しむのに要する1時間当たりのコストを比較すると、『フォートナイト』や『League of Legends』のような専用ゲーム機が不要なSaaSライクなゲームがもっとも安く17セント(約18円)となっている。このコストはSpotifyの33セント、Netflixの37セントよりもはるかに安い(下の画像参照)。今後台頭すると見られるクラウドゲームサービスはSaaSライクなゲームの一種と見なせるので、コストパフォーマンスが良い娯楽と言えるだろう。

Visual Capitalist「The State of the Multi-Billion Dollar Console Gaming Market」より

 ゲームを楽しむ年齢層も広がりを見せている。かつてはゲーマーと言えば、男性の若年層が多数派を占めていた。しかし、アメリカに限って言えば、ゲーマーの年齢層と性別は多様化している。36歳以上のゲーマーに関しては、男性より女性のほうが多いことが報告されているのだ(下の画像参照)。

Visual Capitalist「The State of the Multi-Billion Dollar Console Gaming Market」より

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