マイクロソフト、クラウド事業が好調で増益 その重要性が調査によって明らかに
マイクロソフトは、コロナウイルスの影響でクラウド、およびビデオゲーム分野の大幅な需要増加を受け、好調となった第1四半期の売上高を発表した。今後もさらなる成長が期待されるクラウドサービス分野は、いかなるビジネスにとっても強化が必須となりそうだ。
クラウド部門は前年比20%増の1兆3,500億円を記録
同社は10月27日、今年7月から9月の3か月間で、372億ドル(約3兆8,900億円)の売上高となったことを報告した。これはアナリストの予測、358億ドルを大きく上回る結果だ。
同社のインテリジェントクラウド部門の売上は130億ドル(約1兆3,500億円)に達し、クラウドコンピューティング サービス「Azure」の収益が前年比で48%増加したことも合わせ、前年同期から20%の増収となった。
パーソナルコンピューティング部門では、XboxやMicrosoft Surfaceなどのデバイスの売上が好調で、6%増の118億ドル(約1兆2,300億円)だった。
同社のCEO、サチャ・ナデラ氏は、「自粛ムードが高まる中、クラウドコンピューティングなどのデジタルサービスを強化したことで、収益増を成し遂げた」と述べている。またアナリストとの電話の中で、「今後10年間におけるすべてのビジネスの成長は、デジタル変革への対応スピードによって決まるだろう」と語った。
アナリストは、同社のクラウドビジネスの成長はまだ初期段階にあると予想している。米投資会社「Wedbush」のアナリスト、ダン・アイブス氏は、「このクラウドシフトと在宅勤務のムーブメントは今後も続くと見られ、同社はこのトレンドの恩恵を大きく受けている」と述べた。
ただ、収益が好調であるにもかかわらず、投資家は「Azure」の成長率に懸念を抱く可能性があるという。収益発表後の夜の時間外取引で、マイクロソフト株は2%近く下落した。四半期中の「Azure」の収益成長率48%は、前年同期の59%から大きく低下しているからだ。
それでも、アナリストの中には、「Azure」の事業規模が超巨大であることを考えると、成長の鈍化は懸念材料ではないと主張する者もいるようだ。
ナデラ氏は、クラウドサービスなどのテクノロジーへの投資は、今後10年間で2倍になると予想している。