ヒカキン&小嶋陽菜&柳沢翔が語る、ソーシャル・コマーシャルの映像制作に対する思い

ヒカキンら語る“映像制作論”

 コロナ禍の影響から、今年は各国オンライン同時開催となった『Adobe MAX 2020』。本稿ではHIKAKIN、小嶋陽菜、柳沢翔が、それぞれスペシャルゲストとしてビデオ出演したセッション「ソーシャルからコマーシャルまで、広がり続ける映像制作の世界」から、各氏で関連していた内容を記す。

柳沢翔「3秒おきに面白いことが起こらないと、人は飽きてしまう」

 2015年に資生堂のWEB動画「High School Girl? メーク女子高生のヒミツ」が話題となった映像ディレクターの柳沢翔。2016年には自身初の長編映画『星ガ丘ワンダーランド』を監督、今年はポカリスエットのCM「ポカリNEO合唱」で注目を集めている。

 そのCMの撮影は、リモートでも行われていた。柳沢は10代の演者をリモートで演出していた際に、「周りとコミュニケーションをとらず、1人でやることでパフォーマンスの向上を示す人が数名いた」ことを面白いと思ったという。それは自己プロデュースができており、どのように自分を表現すればいいのかが分かっているということも含んでいた。

 また柳沢は「もし自分が10代の時に、これからの映像制作でも機材が進化することで、撮影部、照明部、美術部、衣装部などを分業する必要がなく、自分で全部できてしまう状況があったら絶対その方法を選んでいた」ともいう。それは映像制作の大きな流れとして、自分で全部完結するモノ作りの環境へのシフトも背景にある。

 一方で「自分1人だと完結しない良さっていうのは、たぶんコントロールできない良さで、僕はコントロールできないことを楽しい経験としてきた」と柳沢。そう振り返り、「発見もあったし、あと勉強もあったから、それだけは失いたくないなと思っていて、やれるところは自分でやる」と先を見据えていた。

HIKAKIN「映像の制作フローについては、そこまでガチガチに固めていない」

 YouTuberのHIKAKINは基本的に1人で撮影や編集を行ってきたものの、「人に編集してもらうとなると事細かく言わないといけなくて、最近はチームを作り始めている」と明かした。「その場にスタッフにいてもらい、撮り終えたらその場で『あそこの動いたとこなんですけど、そのあと編集でつないで。そうするためにやったから』とかを伝える」のが理想とのことで、「今後もYouTubeを続ける上ではチーム作りも大事」と念を押した。「自分と同じ脳の人を育てる」などの試行錯誤をしているそうだ。

 「仲間のクリエイターから『そこまで時間かけるの?』って言われるとしても、なんとなく僕の視聴者とか登録者にはウケる気がするところにこだわる」。そこにHIKAKINが動画編集をしていて楽しいと思う秘訣があるようだ。「自分でも結構こっちにした方が面白いんじゃないか』って悩んだり、そこでちょっと疲れてくることもあるけど、そこでこれが完璧だって悩み抜いて、自分で思う一番最高のものだと思って公開した時に、『何分何秒のそこがマジで笑えました!』って言われるところが当たっている」と自信をのぞかせた。

 HIKAKINは続けて「そこに丸一日かけて疲れたって思っても報われる。『ほら見たことか!』『やっぱり笑ってくれるじゃん!』みたいな。長年作っていると、自分のファンの人とか視聴者が、楽しんでくれるポイントとかツボとか分かってくる」と分析した。

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