音楽ストリーミングサービスの「楽曲クレジット」、充実度はアーティスト次第? ジェイ・コウガミ氏に聞く“課題”

サブスク時代の「楽曲クレジット」問題

 そもそも、音楽ストリーミングサービスが「楽曲クレジット機能」の向上を図ることによる、一番のメリットは何なのだろうか。ジェイ氏はこう続ける。

「より深くアーティストを知ったり、新しいアーティストを見つける意味では、楽曲制作に携わったクリエイター、特に作曲作詞家・プロデューサーを知る機会が増えることは、キッカケの一つになると思います。良い点は、アプリ内で見れることで、外部ウェブサイトに飛ばなくても良いことです」

 これまで、CDを購入する代わりにストリーミングサービスでアーティストの楽曲を聴いていた人にとっては、楽曲の作曲家やプロデューサーが誰なのかを知るには検索サイトに飛ばなければならなかった。それだけではなく、CDで聴いていた人にとっては、作曲家、編曲家、演奏者の関連楽曲を探してすぐに聴いてみる、という作業はとても面倒なものであった。そこに楽曲クレジット機能」が追加されたことで、リスナーはアプリの外に飛ぶことなくクレジット情報を確認でき、また関連する楽曲をすぐに聴いてみることが可能になったのは、かなり大きい変化だと言えるのではないだろうか。

 しかし、「作曲家」「プロデューサー」に加えて「演奏者」や「エンジニア」「編曲家」、さらには「使用されたサンプルの元」や「レコーディングスタジオ」なども閲覧できる欧米の音楽ストリーミングサービス『Tidal』と比較すると、『Spotify』や『Apple Music』、『LINE MUSIC』などの大手は、まだまだ情報量に劣る。とはいえ、これらのストリーミングサービスが、『Tidal』と同じ、またはそれ以上のクオリティの「楽曲クレジット機能」を展開する日も、そう遠くはないかもしれない。

(画像はPixabayより)

参考文献
Spotifyが楽曲クレジットをiOSアプリで表示開始(Musicman)
Spotifyが「ソングライター・ページ」をベータ版でローンチ(Music Ally)
「クレジットはすごく大事」の巻(音楽主義)

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