GoogleとAppleに独占禁止法の調査か ビジネスモデル大きく揺るがす可能性も
米メディア『The New York Times』は、今月末にも、米司法省がGoogleを提訴すると報じた。これが現実となれば、1998年にMicrosoftに対する独占禁止法以来、過去最大規模の訴訟となる。Google、Apple、Facebook、Amazonの4強状態が続く中、テクノロジー業界は新たな展開を迎えるのだろうか。
Googleのビジネスモデルを根幹から変える可能性も
今月始めの『The New York Times』の報道によれば、米司法省は今月末にもGoogleを反トラスト法違反の疑いで提訴する見込みだという。反トラスト法は、自由競争を阻害する独占や、取引制限を禁止する法律の総称で、日本の独占禁止法にあたるものだ。司法省によるGoogleへの調査は、過去1年以上にわたって行われてきた。調査に携わる弁護士からは時期尚早との意見も多いようだが、巨大テクノロジー企業の規制に積極的なトランプ政権下での訴訟に踏み切ったと見られている。
Googleの提訴を検討しているのは司法省だけではない。テキサス州をはじめとした多数の州の司法当局が、法的措置について司法省と協議中とされている。主な焦点となるのは、オンライン検索、デジタル広告、スマートフォンソフトウェアにおけるGoogleの優位性等だ。
米国でのオンライン検索において、約90%のユーザーがGoogleの検索エンジンを利用している。同社の年間売上高1,600億ドル(約16兆7300億円)を支える巨大なビジネス基盤だ。しかしこの検索結果において、ショッピング広告やリスティング広告など、同社の自社製品が優先的に表示され、競合他社にとって不利な仕様になっていると以前から批判されてきた。これが反トラスト法違反と認められれば、広告は大幅に数を減らすことになる。Googleをここまで大きく成長させた広告収入の減少は、同社にとって大ダメージとなるのは言うまでもない。
また、Android OSを搭載したスマートフォンの検索エンジンとブラウザを自社サービスにデフォルト設定することで、その優位性をさらに拡大しているという批判も上がっており、これも調査内容に含まれると予想されている。
司法省による調査の手が及んでいるのはGoogleだけではない。Facebookが調査の対象であることを認めているほか、AmazonとAppleも調査対象と見られている。