アメリカ下院反トラスト小委員会、GAFA分割を勧告 フォートナイトの乱は形勢逆転か
さらなる進展はアメリカ大統領選挙の結果次第
反トラスト小委員会作成のレポートにもとづいて何らかの法的措置が下されるかどうかは、実のところ、アメリカの今後の政治情勢に左右される。ブルームバーグが8日に公開した記事は、同レポート提出後の展開について解説している。
同レポートの作成過程において注目すべきなのは、民主党主導で行われたことである。つまり、同レポートの内容は民主党のテクノロジー政策の一部を代弁していると見れるのだ。それゆえ、同レポートにもとづいた法的措置がくだされるかどうかは、11月3日に行われるアメリカ大統領選挙の結果に左右される。民主党のバイデン氏が次期アメリカ大統領に就任した場合、GAFAの事業分割が命令される可能性が高くなるだろう。
同レポートの作成には、共和党議員も関わっている。そんな共和党議員のJim Jordan氏は、同レポートの内容を「極左の視点」から独占禁止法を改変しようとするもの、と批判している。同氏の批判が、共和党のテクノロジー政策を代弁するものと見なすことは直ちにできない。しかしながら、共和党のトランプ大統領が再選した場合、同レポートの勧告は無視されるかも知れない。
以上のようにアメリカ大統領選挙の結果は、GAFAの動向ひいては世界のテック業界に大きな影響を及ぼす。次期アメリカ大統領就任時には、GAFA関連の発言にも注目すべきであろう。
トップ画像出典:Ars Technica「House: Amazon, Facebook, Apple, Google have “monopoly power,” should be split」より画像を引用
■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi