任天堂に2億円の支払いで和解成立 Nintendo Switch海賊版訴訟に決着
任天堂の米国法人「Nintendo of America」が、Nintendo Switch海賊版デバイス販売で、甚大な損害を受けたとして、ウェブサイトUberChipsの運営者Tom Dilts Jr.被告を相手取り2020年5月15日に起こした裁判で、和解成立が確実となった。
法廷で全面否定も舞台裏で協議し合意
任天堂は「不正なオペレーティングシステムと、それをインストールする著作権侵害ツール」が不正に販売されているとし、各違反につき2,500ドルの支払いとウェブサイトを閉鎖する永久差し止め命令を米国オハイオ州北部地区連邦地方裁判所で求めた。
UberChipsは法廷でほぼ全面的に否定したが、舞台裏では双方が問題を解決する方法を探り話し合いを持ち、合意に達したという。
その合意内容は、200万ドル(約2億円)の支払い、全ての在庫の破壊、いかなる形でも任天堂の著作権を侵害しない永久差し止めというものだ。また、UberChipsは、Facebookグループ等、関連するソーシャルメディアを維持できなくなり、ドメインUberchips.comは、任天堂に引き渡される。双方の裁判費用は、それぞれで負担となる。すでに裁判所に合意内容を共同で提出済みだ。
これを受けて「任天堂がSwitch著作権侵害ハックストアに対して200万ドルを勝ち取る」と『TorrentFreak』は報じている(参考:https://torrentfreak.com/nintendo-wins-2-million-judgment-against-switch-piracy-hack-store-200930/)。
これで、ほぼ任天堂の主張が通る結果となった。これにて一件落着といきたいところだが、実は任天堂は同様のケースを他に8件も抱えている。任天堂は、歴史的に知的財産の不正使用をめぐり、積極的に訴訟を起こしている。今回は、違法店舗の運営元が判明したため、事が進んだが、そもそも誰が運営しているのか不明の場合もある。