2020.09.22 07:00

『今日好き金木犀編』第3話ーーみらいとけいしを巡り、徐々に複雑な関係性に……

文＝一条皓太

　そして、特に動きがありそうなのが、りゅうがとみらい。りゅうがは、意中の相手をまっすぐに追いかけて、ストレートな言葉で想いをぶつけるタイプだが、今回もみらいの大人っぽい雰囲気に惹かれたと告白。それでいて、普段はボケたり甘えたりもするなど、自身のパーソナリティも掘り下げて密度の濃い内容を喋れるのが、彼の長所といえる。

　そんなりゅうがも、旅の折り返しを迎えてさらに決意を固めたのだろう。「俺はふうたくんよりみらいちゃんを想っているし、寂しい想いも絶対にさせたくないから、遠距離でも全然いける」「だから、俺はみらいちゃんが告白してくれることを待ってる」と、そのピュアな想いを純度120%の言葉にのせて届ける。彼の芯を食った告白によって、みらい自身もその本気度合いを実感したと振り返った。

　それでもやはり、みらいはふうたを好きなキモチに嘘はつけないという。好きな人の見つめる先には、“私ではない誰か”がいる。今のりゅうがは、まさに『夏空編』でのみらいそのものであり、その想いが痛いほどに分かるからこそ、「悲しくなっちゃった」と、ぽつりと呟くしかないのだった。

　2日目の終盤。レストランで豪華ディナーを楽しんでいると、ふうたから「後で話に行こう」と誘われるみらい。……と、ここでまさかの旅のしおりが登場！　なんと、今から男女1組だけがナイトクルージングに行ける権利を懸けて、男子がくじ引きを行なうことに。この大事な局面で『今日好き』の神様が選んだのは……りゅうが！　クルージングの相手に選んだのは、もちろんみらいだ。これには、彼女をツーショットに誘ったばかりのふうたも、本当に悔しさを隠せない表情を見せていた。