ゲームファンに話題 狩り・農業・ハクスラ・建築・自動化まで”全部盛り”の意欲作『Craftopia』

ポテンシャルを褒めていても完成にはまだほど遠い状況

 魅力的な要素がふんだんに盛り込まれている一方で、現段階ではアーリーアクセスゆえの作りの粗さは否めない。ゲームバランスの悪さがたびたび指摘されているだけでなく、日々多くのバグが見つかっており、特にマルチプレイはまだまだ安定して楽しめない状態だ。SNS上ではゲーム内のバグを面白おかしく撮影した動画も頻繁にアップロードされている。

 しかし、運営がこのようなバグ報告に真摯に対応しているのが好印象だ。現在はバグの修正やアイテム追加のためにほぼ毎日アップデートを行い、ユーザーも「こんなクラフトアイテムが欲しい」「ここを改善してほしい」といったフィードバックを積極的に行っている。運営とユーザーが相互に協力しながらゲームを改善していく様子は、SNSが発達した現代だからこそ可能なゲーム開発の理想形であるようにも思える。まだ粗削りではあるものの、このペースで改良を積み重ねれば、正式リリースされる頃にはとんでもない超大作になっているかもしれない。

 『Craftopia』の現状は、情報量の多さゆえに良くも悪くも渋滞しているゲームといえる。一つひとつは魅力的な要素でも、それぞれがうまく噛み合っていないという印象も受けるだろう。しかし、個人的には『Craftopia』のようなゲームがリリースされたこと自体、ゲーム史における貴重な転換点と考えている。ゲームファンであれば誰もが一度は「このゲームにあのゲームの要素があったらいいのに」という願いを抱いたことだろう。『Craftopia』は、ユーザーのそんな願いを初めて叶える作品になるかもしれないからだ。

■坂田憲亮
愛知県の田舎で自由気ままに暮らすフリーライター。アプリやゲームなどエンタメ分野をはじめ、国内大手の各種メディアにて記事を執筆中。取材から撮影、Webデザインまで行う自称・マルチクリエイター。

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