今年で20周年の『ぼくのなつやすみ』はなぜ色褪せない? いまもゲーム実況動画が相次ぐ理由を考察
上述の通り、今年も『ぼくなつ』のゲーム実況動画がアップされている。
今年7月から人気YouTuberの水溜りボンドがサブチャンネル「水溜りボンドの日常」で不定期投稿を開始。水溜りボンドといえば、無人島シリーズやドッキリなど実写動画で人気を博しているYouTuberだが、新型コロナウイルス感染症の影響でアウトドア企画ができないという事情もあってか、本作のゲーム実況で“夏”を感じさせる動画を届けていた。
過去、無人島で過酷なサバイバルを経験してきた水溜りボンドの2人。『ぼくなつ』実況では勢いのままに海へ飛び込んだり、釣りに熱中してみたりと田舎の遊びを熟知している感がいかにも彼ららしい。プレイスキルがそれほど求められない『ぼくなつ』において、2人の縦横無尽なトークが炸裂しており、各々が子供時代の思い出を語らい合いながら『ぼくなつ』の世界観へと浸る姿はなんとも微笑ましく感じられる。
続いて、『ぼくなつ』実況といえば真っ先思い当たるのが人気ゲーム実況者の赤髪のとも。2013年の『ぼくなつ2』実況から毎年ローテーションで実況動画を投稿しており、8年目となる今年は新しい試みとして毎日ライブ配信を行っている。ぼくなつのゲーム時間に合わせて8月1日から31日までリアルタイムで進められており、まさに夏休みを丸々体験しているような感覚で見ることができる。
実況スタイルという意味では先に紹介した水溜りボンドとは対象的だ。子ども心は持ちつつも、一歩引いた大人な目線でのナレーションチックな解説が特徴で、例えば、虫相撲には子どものような熱狂を見せる一方で、登場人物の言葉のひとつひとつを噛み締めて感傷に浸るなど、子どもと大人の感覚が絶妙に同居した実況となっている。
このようにプレイヤーによって、異なる趣を感じさせるのが『ぼくなつ』の醍醐味である。もちろん自分でプレイするのも良いが、実況者の動画を見ながら一緒に夏休みを過ごすというのもおすすめだ。
毎年夏になると多くの実況が投稿され、夏の定番実況ともいえる盛り上がりを見せている『ぼくなつ』シリーズ。今夏は新型コロナウイルス感染症の影響でなかなか外出するということが難しくなっている。だからこそ、本シリーズで夏を満喫してみるというのもありだろう。今年も筆者は『ぼくなつ』実況を視聴しながら、夏の思い出としたい。
■川崎龍也
音楽を中心に幅広く執筆しているフリーライター。YouTubeを観ることが日課です。Twitter:@ryuya_s04