「BanaDIVE™ AX」に見た、AI DJの進化が示す”イマーシヴなバーチャルライブ体験”の可能性

 これらのバーチャルライブは視聴者が配信に参加することで、イマーシヴな体験をできるという点に共通項が見出せるが、今回のミライ小町のパフォーマンスでは、視聴者の投票によって生まれる”その場限りのライブ視聴体験”にこそ、配信に没入できる要因があったと筆者は考える。また、そういった体験を生むやりとりにAIが応えられるようになったところにもテクノロジーの進化を感じるとともに、改めてそれがエンタメ自体の進化を促進していることを実感した。

 今回の配信では、確かに選曲リクエストの投票にスマホARが使われるなど、XR的な要素はあったが、それよりもAIによるインタラクティヴなDJプレイとそこに視聴者が参加するというシステムにこそ、先述のバーチャルライブとはまた違う”新しいライブエンタメとしてのバーチャルライブ”要素があったのではないだろうか?

 「BanaDIVE™ AX」は、『ASOBINOTES ONLINE FES』で発表されたダンスミュージックを中心として展開する新規IPの「電音部」にも活用されるという。このクラブカルチャーとのさらなる融和によって「BanaDIVE™ AX」は、今後、どのような進化を遂げるのだろうか? 引き続き注目していきたい。

■Jun Fukunaga
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター。DJと音楽制作も少々。
Twitter:@LadyCitizen69

〈Source〉
https://www.fujitv-view.jp/article/post-93529/
http://www.billboard-japan.com/d_news/detail/87357
https://daily.bandcamp.com/features/update-on-fridays-campaign-to-support-artists-during-the-covid-19-pandemic
https://www.nytimes.com/2020/04/10/magazine/coronavirus-economy-debate.html

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