ドラマ『M 愛すべき人がいて』ついに完結! 最終回後の展開描く“完全版”や『L』を見逃すな

 ついに最終話を迎えた『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日×ABEMA)。最終話はこれまでと毛色が異なり、エモくて切ない、泣ける展開が待ち受けていた。そして、ABEMAではプレミアム会員向けに、未公開シーンを付け加えた完全版が公開された。

 第6話で一気にスターダムを駆け上がったアユ(安斉かれん)。そんな彼女とマサ(三浦翔平)に待ち受ける悲しい別れが描かれた第7話。人気者になったアユは多忙を極め、またマサは複数の新規プロジェクトの責任者に抜擢され、どんどんすれ違っていく2人。同棲を始めたばかりだというのに幸せな時間はそう長くは続かず、一緒に過ごせる時間もまともに確保出来ない日々が続く。

 これまでたった一人の男性(マサ)に向けて歌詞を綴り、歌い続けてきたアユ。アユの可能性を誰よりも強く信じそのために全てを捧げてきたマサ。夢に見た“虹”を謳歌して渡れるはずなのに、はた目には絶頂にいるはずの2人なのに、現実とはこうも残酷なものなのか。

 原作本(小松成美/幻冬舎刊)にも「マサと2人で作ったアユは、いつの間にか2人の手には負えないモンスターになっていた」というような一文がある。互いが互いのために命を削って向き合ってきたことが、成功を手に入れた途端、反作用してお互いの存在が足枷になる。プロデューサーとアーティストという運命共同体の悲しき末路だ。

 また、最終話では彼女をずっと敵対視してきた同期のライバル理沙(久保田紗友)とのわだかまりが解消されるシーンもある。1人の女性として深く傷つきどん底にいたアユを救ったのは他の誰でもない、同じくスターになることを目指し途中で夢破れていった戦友の姿だった。この瞬間、アユ自身も「選ばれし者の宿命と孤独」を受け入れ覚悟を決めたのだろう。

 そして覚悟を決め、ステージに向かうアユの前に、あの女、そうボイトレ講師の天馬まゆみ(水野美紀)が登場する。この他にも久々の人物の出演があってフィナーレ感が加速する。

 そしてこの物語全てを象徴するような伝説のシーンー歌番組での生放送(ミュージックステーションスーパーライブ)中の涙ながらの「appears」歌唱シーンーが再現され、胸に迫るものがある。

 ここで忘れてはならないこの物語に欠かせない存在、マサの秘書・姫野礼香(田中みな実)。彼女の切ない恋も終わりも迎える。これまでは怪演のオンパレードだった彼女が、生身の一人の人間として感情を吐露しぶつける場面は、一気に我々視聴者との距離感が縮まり、少し安堵するとともに彼女のやるせなさ、切なさが伝播する。

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