新型コロナ感染対策でも注目? スマホ決済「還元減少」でも残るメリットと賢い使い方
一時期の「祭」とも言えるようなポイント還元キャンペーン争いもひと段落した。さらに、「Origami Pay」が6月末でサービス終了しメルペイに統合する等、業界の再編も始まっており、スマートフォン決済は次のフェーズに移ってきたと考えるべきだろう。
還元率について言えば、キャンペーン祭の過ぎ去った今では、スマートフォン決済とクレジットカード決済には大差がない。大きな還元率がメリットでなくなった後、これからどう活用していけばいいのだろうか。まずはスマホ決済の優位性から整理したい。
非接触であること
新型コロナ感染対策で注目・推奨されたポイントは“非接触であること”だ。スマートフォン決済は現金やクレジットカードと異なり、スマートフォンのカメラで読み取るか表示したQRカードをレジで読み取るかの2択であるため、買う側と店員の間でお金やカードの受け渡しが発生しない。特に現金は様々な人の手を渡るものであり、感染症への防御力は低いと言わざるを得ない。
クレジットカードも、コンビニやスーパーでは自分でカードを挿すレジが増えてきている。これは感染症対策だけでなく、日本では件数が少ないがカードのスキミング対策でもある。決済自体が店員との接触を避ける方向に進んでいるのだ。
利用できる場所・店が多い
クレジットカードは読み取り機器や通信環境が必要なぶん、どうしても店舗側は導入するハードルが高くなる。一方、QRコード読み取り式のスマートフォン決済の場合は、利用を申し込んで審査に通過すれば、QRコードをお店に掲載するだけでよく、導入ハードルが低い。PayPayはこの導入コストの低さに加えて、強い営業力で地方都市やクレジットカード非扱い店舗での導入を広く開拓した。実際、昨年春に筆者が新潟に行った際に立ち寄った市場「ぴあBandai」では、クレジットカードが使えなくても、PayPayはどの店舗でも使えてとても便利だった。非現金決済のファーストステップとしてスマートフォン決済がある状況になったのだ。
私は旅行先で「クレジットカードは使えなさそうだなぁ」というお店に多く遭遇する。これまでは現金をおろしてから入店したり、街を歩いていた。特に慣れてない場所であれば自分の口座のATMをわざわざ探す必要があり、ついついコンビニのATMを頼ってしまう。旅行スケジュールを優先し、現金をおろすのが手数料のかかる時間外になってしまうことも多いだろう。
三菱UFJ銀行と三井住友銀行がATM相互利用により拠点削減を発表というニュースにもあるように、ATMを減らしキャッシュレス化の世界へ移行する銀行も出てきている。駅前の一等地に拠点を構え続けることは大きなコストだ。「出先や旅行先でお金がおろせない」は今後さらに発生していく可能性があり、スマートフォン決済を使い続けていくメリットは十分にある。