Nintendo Switchで『本体/SDカード間のデータ移動』が可能に ゲーム体験はどう変わる?

 2020年4月14日、Nintendo Switch(以下、Switch)にバージョン10.0.0の本体更新が配信された。アップデートのひとつの目玉となるのは『本体/SDカード間のデータ移動』だ。利便性の観点から待望されてきた同機能。これによりゲーム体験はどう変わるのだろうか。本記事では発売から3年余でようやくの実装となったSwitchのデータ移動機能と、その先にあるゲーム体験を考えていく。

本体/SDカード間のデータ移動が待望されてきた経緯

 Switchはロットや製品バージョンにかかわらず、本体に32GBのストレージを持っている。ここにはシステムデータのほか、ゲームデータやセーブデータといった、ゲーム機としての機能に必要なすべてのデータを保存できるため、microSDカードを用意せずとも一通りプレイを楽しめる仕様だ。ユーザーのなかには本体購入時の出費を抑えるなどの理由から、当面は同カードの購入を見送った人もいるだろう。32GBの容量内で遊ぶ分にはmicroSDカードは必要ない。

 しかし近年ではダウンロード販売によってソフトを手に入れるケースが少なくない。ソフトの保存領域として本体ストレージを利用すれば、32GBではあっという間に足りなくなってしまう。参考に人気タイトルのダウンロードに必要な容量を挙げると、『あつまれ どうぶつの森』が6.6GB、『ポケットモンスター ソード・シールド』が10.2GB、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が15.7GB、『スプラトゥーン2』が6.1GBとなっている。4タイトルの合計は38.6GB。これだけで本体容量を優に超えるため、Switchを満喫するならばmicroSDカードが必須となるのだ。

 当初は同カードの購入を見送ったユーザーも、さまざまなソフトを遊ぶにつれてその必要性を感じるようになり、やがては購入へと至る。購入後にはデータを整理する作業が待っているが、これまでは保管しておきたいゲームデータを都度microSDカードにダウンロードし直す必要があった。ご想像のとおり、この工程には大きな手間がかかる。「直接データを移動できればいいのに」これが『本体/SDカード間のデータ移動』が待望されてきた背景だ。

 もちろん最初からmicroSDカードを用意していたユーザーにもSwitchを使い続けるうち、データを管理したい場面が出てくる。ちょっとした機能ではあるものの多くのユーザーの利便性に関わるのが、今回のアップデートで実装された『本体/SDカード間のデータ移動』だ。

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