『あつまれ どうぶつの森』なぜ20~30代女性ユーザー急増? 理由は“新型コロナ”と“インスタ”にあり

 友人と出かけられなくてもオンラインで会うことで、島の中で“あつ森映え”しているユーザーは多い。これは『あつまれ どうぶつの森』にカメラ機能があり、数種類用意されたフィルターと、ポーズをとって撮影できる機能がさらにユーザーの楽しみを引き出したといえよう。まさに日常でスマホを使っておしゃれな写真を撮ることを楽しんでいた層が、オンラインで、そして島の中でアバターを使い同じことをしているのだ。

 『あつまれ どうぶつの森』の機能がより柔軟なものになり、リアルライフを投影しやすくなったことは、ヒットを加速させる要因となっただろう。それ故に、リアルライフで仲の良い友人同士が「シミラールック」と呼ばれる双子のようなコーディネートで流行りのカフェに行くのと同じように、お互いのアバターにそっくりなデザインの服を着させて島の中で遊んでいる写真をアップしているアカウントや、彼氏と島の中でデートしているアカウントもいる。外出できないストレスを発散する役目としても一役かっているように見受けられた。

 「Stay Home」の余波はこうしたところにまで広がっている。友人や恋人との時間を一番重視するであろうF1層にとって、『あつまれ どうぶつの森』はまさに良い拠り所となっただろう。同じ目的意識を持ち、同じ空間を共有することは絆を深める上で非常に重要だ。本作の存在で、「Stay Home」が辛く悲しいことから、前向きに楽しめる“おうち時間”になっていることを嬉しく思う。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

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