アメリカ、新型コロナ対策でAmazonら大手企業に課税検討か 低所得層の救済目的で

 実はこのAmazon課税には、前哨戦があった。シアトル市議会が2018年5月に全会一致で大企業に新たに課税する法案を可決した。しかしAmazonは、同市内でのオフィス新設計画を凍結し牽制。大々的な署名運動が起こり、この法案は撤回された。

 2019年のシアトル市議会選に際しては、Amazonは前例がない150万ドル(約1億5千万円)もの巨額献金を行ったが、市政の買収行為と非難され、大失敗している(参考:https://www.thestranger.com/slog/2020/04/06/43351593/a-new-amazon-tax-is-coming-to-a-council-committee-near-you)。

 シアトルはAmazon創業の地で、地元経済は一見して潤っているように映る。しかしその反面、地価が上昇しホームレスが増えたことで、貧富の差が拡大してしまったという見方もある。

 Amazonとしては、地元行政の激しい抵抗に遭い、シアトルで成長を維持できるか疑問視している。しかし、今回の法案の本丸は、新型コロナウイルス対策だ。果たしてAmazonは、なおも抵抗の姿勢を貫くのか。それとも全面的な支援に傾くのだろうか。

(画像=Pexelsより)

■Nagata Tombo
ライターであると同時にIT、エンタメ、クリエーティヴ系業界にも出入りする。水面下に潜んでいたかと思うと、大空をふわふわと飛びまわり、千里眼で世の中を俯瞰する。

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