ゲーム実況者・倭寇(わこう)×えふやん対談 「企画は思い浮かんだ瞬間がピーク」

ゲーム実況者・倭寇(わこう)×えふやん対談

 人気ゲーム実況者の原点を探る、インタビュー連載「ゲーム実況のふるさと」。今回は、卓越した企画力で常に新しい動画を届け続ける倭寇(わこう)と、マインクラフトから旅動画まで、そのアイデアと編集力でファンを楽しませ続けるえふやんの対談を掲載する。ともに“ゲーム実況者”という枠を超え、ディレクターとして数多くの企画を成功させている二人は、どんな思いで動画制作に臨んでいるのか。アイデアの源泉から、二人が愛着を持ち、拠点としているniconico(ニコニコ動画)への思いまで、じっくり聞いた。(編集部)

【記事の最後に、二人のサイン入りチェキプレゼント企画あり】

■これまでのインタビュー
加藤純一×もこう「ゲーム実況中なら死んでもいい」

「ゲーム実況者と旅動画って、本当に相性がいいなと」(倭寇)

ーーまずはお二人がゲーム実況を始めた経緯から聞かせてください。

倭寇(わこう):僕はわりと普通で、2009年くらいから友達と実況動画を観ていて、「やってみたいね」という話になって実際にやってみた、というのがきっかけですね。

ーー倭寇さんは多才なクリエイターで、今まさにそうであるように、企画動画にトークと、ゲーム実況以外の分野でもいろいろな表現ができたと思います。なぜゲーム実況というジャンルを選んだのでしょう?

倭寇(わこう):当時はゲーム実況の黄金期というか、ニコニコ動画のランキングを見ていても実況動画が多かったし、目に入ってきやすかったのが大きいかもしれないですね。もともとゲームが好きだったこともあって、2012年に最初の動画を投稿しました。ちなみに、いま一緒にやっている藤吉(とうきち)には特に言わずに始めたんですけど、やっているうちにバレてしまって、それならば、ということで巻き込んだ感じです(笑)。

えふやん:僕がゲーム実況動画を見始めたのも同じく2009年くらいからで、動画をアップし始めたのは2011年ですね。最初に幕末志士さんの『奴が来る』シリーズ(※『スーパーマリオ64』の縛りプレイ動画)を観て、衝撃を受けたんです。そんななかで何か動画を作りたいと思っていたんですけど、タイミングがつかめずにボヤボヤしていたときに、2011年4月にニコニコ生放送で『マインクラフト』というゲームを知って。このゲームはすごい!と思って、2週間後には動画を投稿していました。

ーーすぐに大ヒットした『マイクラで新世界の神となる』シリーズですね。凝った編集がとても新鮮でした。

えふやん:いま観ると恥ずかしい出来なんですけどね(笑)。本当にいろんな動画を観ていたなかで、ドグマ風見さんの『してくべ』というレトロゲーム実況シリーズに出会って。当時は字幕をつける実況者もほとんどいなかったくらいなのに、テレビ番組風の凝った編集がされていて、「こういう動画もアリなんだ!」と。それに影響を受けて、僕もやれるところまでガッツリやってみようと思ったんです。

ーーさて、その後おふたりはチームを作っての旅動画企画など、いわばディレクター的な活躍もするようになり、共通点も多いと思います。倭寇さんがえふやんさんを知ったのは、どんなタイミングでしたか?

倭寇(わこう):えふやんさんは初投稿からバチバチにランキングに入っていたので、もちろんそこで知っていたんですけど、やっぱり2013年に投稿された旅動画(『ぼくらは新世界で旅をする』シリーズ)の印象がデカかったですね。これを観て、「あ、実況者って旅をすればいいんだ」と思って、パクらせてもらいました(笑)。ゲーム実況って、プレイが上手か下手かもありますけど、それ以上におしゃべりが大事じゃないですか。その点、旅動画は“車中でどれだけしゃべれるか”というのがポイントになるし、ゲーム実況者と旅動画って、本当に相性がいいなと。


ーー確かに、車内の密室的な空間が“実況部屋”になるというか。

倭寇(わこう):そうそう、もちろん旅の目的は設定するけれど、意外と車内のトークが本編だったりするんですよね。ちょっと聞きたいんですけど、えふやんさんは旅動画を撮るとき、どれくらいSDカード持っていきます? 僕は128GBが5枚と、64GBを2枚くらい持って行くんですけど(笑)。

えふやん:昔はそんなに持って行っていなくて、撮影中に「おい、容量足りないぞ」って、電器屋さんに駆け込んだりしてました(笑)。カメラを回す時間と回さない時間を分けていたりするので、倭寇さんの「チーム()」(チームカッコ。人気実況者4人によるグループ)ほどは容量を食わないかもしれません。

ーー逆にえふやんさんは、倭寇さんをどんなタイミングで知りましたか?

えふやん:僕もランキングを見て、「海賊みたいな名前の人がいるな」って思ってました(笑)。初めて実際に会ったのは、たぶん茸(たけ)さんの「結婚披露パーティー生中継」(2017年4月)だったと思います。放送終了後にみんなで記念写真を撮ったんですけど、そこで、「なんだ、このすげえいい顔の人は!」と思ったら、それが倭寇さんで(笑)。

 僕、どうしても影響を受けてしまったり、「自分だったらこうするのに!」ってモヤモヤしてしまうので、特にニコニコに上がっている旅動画は観ないようにしているんですね。だから、倭寇さんの「隣接した県をサイコロで選んで旅すると目的の県まで行けるのか」を昨日から観始めました。

倭寇(わこう):ありがとうございます(笑)。うちのメンバーだと、P(ピー)がそういうタイプですね。「絶対に影響を受けるから」って、ゲーム実況動画をほとんど観ないんですよ。

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