SpaceXが大量求人で3月にスペースシャトル飛行実験 前澤氏の月旅行も前進?
ZOZOTOWNの創業者として知られる前澤友作氏が2023年に予定している月周回飛行を実行する企業は、自動車メーカーのテスラの創業者として有名なイーロン・マスク氏が設立したSpaceXである。2020年に入ってSpaceXの動向が活発化しており、宇宙旅行の実現に向けて大きく前進するようだ。
24時間稼働するシフトのスタッフ募集
ビジネスインサイダーは6日、SpaceXが大量のスタッフを募集していることを報じた。スタッフを募集していることが判明したのは、同社CEOであるマスク氏の4日付のツイートからであった(下のツイート参照)。ツイートには6日にテキサス州ボカチカに午後3時から午後9時まで応募者を集めるキャリアデーを開催する、と書かれていた。
Starship career day at the Stargate building (Boca Chica Blvd, TX) this Thursday from 3pm to 9pm!
— Elon Musk (@elonmusk) February 4, 2020
上記のツイートはさらに続き、今回の応募者は24時間年中無休の4つの生産シフトに配属される、とのこと。募集職種はオペレーター、エンジニア、スーパーバイザー、そしてサポートスタッフとなっている。
今回のスタッフ大量募集は、SpaceXが3月から実施する飛行テストに関係していると考えられている。この飛行テストについては、テック系メディア『The Verge』の4日付の記事が詳しく報じている。飛行テストは3月から9月まで実施することが計画されており、アメリカ連邦通信委員会に申請済みである。テスト飛行を同委員会に申請したのは、テスト飛行中に使う無線の周波数を割り当ててもらうためだ。
今回のテストでは、宇宙船が上空12.4マイル(約20キロメートル)まで上昇する予定だ。昨年の8月にはテスト用宇宙船を500フィート(約152メートル)まで上昇させたことと比べると、今回のテストが成功した場合、月周回旅行の実現に向けた大きな一歩となるだろう。
無重力演奏会を計画
上記のキャリアデー開催の前日にあたる5日、マスク氏はある画像をTwitterに投稿したことで注目を集めたことをエンタメ系メディア『INVERSE』の6日付の記事が伝えている。投稿された画像には「ゼロ重力におけるスターシップ・コンチェルト(宇宙船協奏曲)」というメッセージとともに、宇宙船のなかでバイオリンを演奏している女性の姿が描かれている(下のツイート参照)。
Starship Concerto in Zero G pic.twitter.com/gkn05I1bvZ
— Elon Musk (@elonmusk) February 5, 2020
このツイートは、SpaceXの宇宙船による宇宙両行が実現したあかつきには、宇宙船内で何らかのアートイベントを開催することを示唆している。実際、前澤氏が参加する月周回旅行には同氏のほかに、6~8人のアーティストを同乗させることが計画されている。同乗するアーティストとして同氏が挙げているのは、フォトグラファー、画家、ミュージシャン、そして映画監督といった人々だ。
宇宙船内のパフォーマンスに関連して、マスク氏は昨年9月のSpaceX主催のイベントで無重力状態では空間を文字通り隅々まで使えることを指摘した。つまり、地上では地球の中心方向に向かって重力が働くため、重力が働く反対方向へ移動する際には大きな力が必要となる一方で、無重力状態ではどの方向に対してもスムーズに動ける。それゆえ、無重力状態では地上では実現困難なパフォーマンスが可能となるかも知れない。