『龍が如く7 光と闇の行方』は“サブカル小ネタ”の特盛ゲームだ

 1月16日に発売され、各所で話題沸騰となっている『龍が如く7 光と闇の行方』。裏社会をモチーフにした渋いストーリーと豊富なコンテンツ量が特徴な『龍が如く』シリーズだが、本作も例外ではなく膨大なサブカルチャーについての小ネタが含まれている。今回の記事では、そういった細部に注目していこう。

 まず、今作の代表的なネタ要素である「スジモン」から見ていこう。歴代『如く』シリーズ作とは異なり、RPGとして生まれ変わった『龍が如く7 光と闇の行方』では、『ポケットモンスター』シリーズのパロディとして、敵キャラクターのことを「スジモン」と称し、図鑑に登録することができるなど、ちょっとしたコレクション要素が加わっている(といっても実際に捕まえるわけでなく、倒すだけで図鑑に登録されるのだが)。一定数図鑑に「スジモン」を登録すると、スジモンセンターにいるスジモン博士から報酬がもらえる、という仕組みだ。

 「スジモン」の特徴は多岐にわたっており、たとえば「鍼灸師系」カテゴリの最上位である「ハリ・レイザー」は、外部の痛みを一切感じないために顔が鍼まみれになっている。これは「ヘル・レイザー」シリーズ、そしてその代表的なキャラクターである「ピンヘッド」のパロディだ。「ピンヘッド」は究極の快楽のために自分の頭にピンを打っているというキャラクターなので、若干説明文もリンクしており面白い。

 また、露出狂であればコートを広げて攻撃をしてくるという具合に、スジモンたちは自らの個性にあった攻撃方法をとってくる。「ローションまみれ系」のスジモンは自らのローションによってすべってしまい、攻撃ができないターンが存在する、など、戦闘シーンは愉快な小ネタにまみれており、プレイしていて飽きないようになっている。

 キャラクターに仕込まれた小ネタはスジモンだけではない。たとえば本作の目玉ミニゲームのうちの一つである「会社経営」に登場する社員も、よくみると元ネタがある人物だったりする。たとえば「半澤」というキャラクターは、正義感の強さゆえ退職に追い込まれ、リベンジを目指す元銀行員との説明文で分かるように、『半沢直樹』が元ネタかと思われる。

 かつて奇才ゲームクリエイターとして名を馳せていた、という触れ込みの「テクノ・ユータ」は、おそらく『ときめきメモリアル』シリーズで知られる「メタル・ユーキ」こと斎藤幹雄氏が元ネタだろう。と、こういう最近の若い人は知らなそうなマニアック気味の小ネタもたくさん含まれているのが本作の特徴で、おそらく筆者も気づいていないようなものがまだ膨大にあるのだろう。

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