ソニー『E3』2年連続不参加の理由は? 「焦点を当てるのに適切な場所ではない」発言から考える
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、2020年6月に開催される世界最大のゲーム展示会『E3(Electronic Entertainment Expo)』に、2年連続で参加しないことを発表した。
同社は1995年の初回から2018年まで、欠かさず出展してきたため、昨年の不参加は衝撃的なニュースだった。これは一時的なことで、2020年には出展するのではとの観測もあったが、やはりSIEは大きな方向転換を行なった模様だ。
消費者イベントへの参加は表明「ファンがプレイ出来ることに重点」
『VGC』は、Wedbush Securitiesのアナリストであるマイケル・パクター氏の、「私の知る限り、彼ら(SIE)は『E3』に参加する予定はない。SIEの意図する、消費者に焦点を合わせることは、主要な業界見本市への出展と矛盾しないため、それは大きな間違いだと思う。考えを改めることを願っている」というコメントを掲載(参考:https://www.videogameschronicle.com/features/ps5-reveal-event/)。
また、SIEの広報は『GamesIndustry.biz』に「徹底的な評価の結果、SIEは『E3 2020』に参加しないことを決定しました。弊社は、主催者のESAに組織として大きな敬意を払っていますが、『E3 2020』のビジョンが今年、焦点を当てるのに適切な場所であるとは感じていません」とし、2020年のグローバルイベント戦略について「世界中の数百の消費者イベントへの参加で構成します。ファンがPlayStationファミリーの一員であると感じ、お気に入りのコンテンツをプレイ出来るようにすることに重点を置いています」との声明を寄せている(参考:https://www.gamesindustry.biz/articles/2020-01-11-playstation-will-not-participate-in-e3-2020)。
E3内で意見が分裂
『Cnet』は「ソニーは『E3 2020』をスキップ、ショウのビジョンが合わないとの見解」という見出しで報じている(参考:https://www.cnet.com/news/sony-to-skip-e3-2020-says-vision-of-the-show-isnt-right/)。
主催のESAは、SIEの撤退を受け、ゲーマーに向けて「『E3 2020』は新しい経験、パートナー、展示スペース、アクティベーション、プログラムをフィーチャーし、新しいファンからベテランの参加者まで楽しませる、エキサイティングでエネルギーに満ちたショウになります」と声明を発表した。
同記事によると、『E3』のショウのあり方をめぐって出展者の間で分裂が起こっているが、主催者であるESAは、全ての会社を納得させることが出来ずにいる。SIEやEAなどの一部のパブリッシャーは、『E3』がゲームファンのお祭りになることを望んでいるが、他のパブリッシャーはむしろ業界メインのイベントを維持したいと考えているようだ。