アバンティーズが教えてくれた“愛にあふれた人生の原点” 4人の2019年を振り返って

 春、夏、秋と夢中で駆け抜けてきたアバンティーズだったが、11月11日にリクヲが活動休止を宣言した。だが、これは疲れ切って動けなくなってしまったからではなく「アバンティーズとしてやりたいことを最高の状態で最高のパフォーマンスをするため」の決断だった。多くのクリエイターが、心と身体、やりたいこととやるべきことの両立に悩む中で、自分たちのペースを見つめ直したアバンティーズらしい英断だった。そして多くの視聴者がその勇気ある決断を支持し、「待っている」とメッセージを送った。

 改めて考えてみる、アバンティーズの2019年はどんな1年だったか。喪失? 試練? 苦難? いや、こうして振り返ってみると、この1年こそ多くの愛に包まれた年だったと言えるのではないだろうか。YouTubeという新しい世界で、アバンティーズを中心にいくつものやさしい世界を見ることができた。悲しみに寄り添い、共に次の一歩を踏み出す尊さも。立ち止まる人を、急かさずに待つ余裕も。そして、たとえ毎日会えなくなったとしても、その存在を忘れないということ。

 人と人とのつながりが軽薄になりつつある現代で、アバンティーズが教えてくれたのは、そんな愛にあふれた人生の原点だったように思う。何が起こるかわからない未来。だが私たちは、その都度立ち上がるしかない。強く、やさしく、しなやかに、愛情深く……アバンティーズを見習いながら、新たな年を共に生きていこうではないか。

(文=佐藤結衣)

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