『バチェラー・ジャパン』は“オーディション番組”だった!? 2019年恋愛リアリティーショー座談会【後編】

『あいのり:African Journey』(Netflix配信:2019年9月〜)

藤谷:現在配信中の『あいのり:African Journey』は、大変そうですね。

Numoto:みんな病気になってますからね。腸チフスと赤痢アメーバですよ! 最近まで女子メンバー全員が倒れて、男子メンバーだけで旅していました。過酷……。恋愛にも看病が絡んできていて、どれだけ病気中に優しくできるかがカギになっています。

藤谷:もう恋愛どころではない! それに、女子が病気になっているとき、男子が呪術師の館でお祓いをしてもらうエピソードがありましたよね。アフリカは根強い呪術信仰があると聞きますが、スタッフは何を考えているんだ……。

編集部:『バチェラー』とは違う過酷さがありますね。『あいのり』は恋愛リアリティーショーブームの火付け役だったはずなのに、だいぶ王道から外れているような……。

藤谷:恋愛リアリティー番組はそれ以前にもありましたが、地上波放送時代の『あいのり』は人気メンバー桃が番組卒業後もAmebaブロガーとして活躍し、今でいうインフルエンサーのようなポジションになってましたね。『あいのり』は恋愛リアリティー番組→インフルエンサーの道筋を作った番組といえるのかも。

2019年恋愛リアリティショー、シーン全体を振り返る

Numoto:恋愛リアリティーショーのシーンとしては、2019年は盛り上がってきた時代ですよね。一部のファンだけでなく、世間全体に浸透し始めたのを感じます。

藤谷:周囲を見ても『バチェラー・ジャパン』なのか『テラスハウス』なのか『オオカミ』なのかは別として、何か一つは観てる印象があります。老若男女に愛されていますよね。

Numoto:SNSのタイムラインで、恋愛リアリティーショー関連の名前をよく見かけるようになりました。むしろ、これまでドラマとかバラエティに向いていた矢印の一部が、恋愛リアリティショーに変わり始めたのかなとも思います。

編集部:芸能人も恋愛リアリティーショー好きを公言する人が増えましたしね。

2020年、恋愛リアリティーショーの行方

Numoto:恋愛リアリティーショーのファンが増えてきて、2020年は視聴者の応援の仕方が変わってくるのかなという気がしています。『バチェラー・ジャパン』シーズン3の件もそうですが、ものすごく話題になって炎上したり、逆にすごいスターになったりする人も出てくるのかな。芸能界を目指す上で、恋愛リアリティーショーに出ることが一つのステータスになったり、登竜門になったりするのかなと思います。

藤谷:ただ、タレントの登竜門になってしまうがゆえに、リアルな恋愛とはちょっとかけ離れてしまいそう。そこはYouTubeのカップルチャンネルに流れていくのかな。

Numoto:Abemaの恋愛リアリティーショー出身者は、成立したらカップルで活動してYouTubeやInstagram、TikTokなどのSNSでファンを獲得していますよね。一つのルートになっている。でも、別れたときが大変そう。

藤谷:人が人をコンテンツとして“観る/観られる”ことへの恐怖も感じますよね。デジタルタトゥーじゃないですけど、過去の恋愛がずっとメディアに残ってしまう。自分自身無責任に楽しんでいることは否定できない、でも『バチェラー・ジャパン』シーズン3での炎上で心ない中傷を見たりすると、いつか人生が壊れてしまう人も出てきてしまうんじゃないかと心配になりますね。

Numoto:ハイリスクハイリターンだからこそ、出演者を守る体制を作っていかなくてはならないですよね。これはSNS全体に言えることだと思います。視聴者も出演者もケアしていかないといけない部分がありますが、2020年も恋愛リアリティショーは大きく変化を迎えそうですよね。楽しみです。

(構成=Nana Numoto)

■番組情報
『バチェラー・ジャパン』
Amazon Prime Videoにて配信中
製作:Amazon Prime Video
バチェラー:友永真也
(c)2019 Warner Bros. International Television Production Limited. All rights reserved.
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