Instagram、ネットいじめ対策に“不快な画像投稿に警告”機能を発表 新たな危険地帯はゲームチャットに?
画像共有アプリInstagramは、ある新機能を実装することを発表した。その機能は、世界的に問題となっているネット上の行為に対抗するためのものだ。もっとも、ネット文化に暗い影を落とす行為はその活動範囲を広げる傾向にもある。
不快な画像投稿に再考を促す
Instagramは16日、ネットいじめ対策の一環として不快な画像を投稿した時に警告メッセージを表示する機能を実装することを伝えるプレス記事を公開した。この機能は、画像に潜在的に不快な内容が含まれているとAIが検知した場合、報告を受けている投稿に似ているので再編集するように促すメッセージを表示する、というもの。具体的には「このキャプションはすでに報告を受けているものと似ているように見えます」というメッセージを表示して、「キャプションを編集」「もっと詳しく知る」「とにかくシェア」のなかからユーザにリアクションを選択してもらう(トップ画像参照)。
Instagramは、今年7月にも潜在的に不快な内容を含んでいるコメントに対してメッセージを表示する機能を実装していた。こうしたメッセージを無視するユーザは少ないことがわかったので、検知の対象をコメントから画像に拡大したのだった。
今回発表された新機能は、まず一部の国で展開された後に数ヶ月以内に世界中に拡大する予定だ。日本における新機能運用開始日は明記されていないが、いずれ運用されるだろう。
グローバルな問題としてのネットいじめ
世界中にユーザがいるInstagramが対策に乗り出していることからわかるように、ネットいじめは今や世界共通の問題と認識されている。様々なテックサービスに関する調査結果を公開しているメディア『comparitech』は、11月に世界のネットいじめに関する統計調査結果をまとめた記事を公開した。
調査会社Ipsosは、2011年から28ヶ国の成人を対象としたネットいじめに関する調査を行っている。その調査内容とは、調査対象国の16歳から64歳の成人に対して、子供がネットいじめの被害に遭ったことがあるかどうか尋ねる、というものだった。この調査の結果、世界的にネットいじめの被害にあった子供が増えてきていることが判明した。調査結果を国別に見ると、2018年時点でもっともネットいじめの多い国がインドで、反対にもっとも少ない国はロシアと日本であった(下のグラフ参照。赤く色づけされた国ほどネットいじめが多く、青く色づけされた国は少ない)。
Ipsosは、ネットいじめに対する取り組みに満足しているかどうかについても尋ねた。その結果、ロシアと中国以外の国で取り組みが不十分だと思われていることもわかった。
また国連が今年9月に発表した記事は、ネットいじめが起こるのは裕福な家庭の子女が通う学校だけではない、と報告している。例えば、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国でも調査対象となった若年層の34%がネットいじめの被害にあった、と回答している。