モンハン風無料ゲーム『Dauntless』Switch&PS4に登場 成功の影にあるEpic Games Storeの存在

 今年5月にEpic Games Storeから配信されて瞬く間に人気ゲームとなった『Dauntless』が、対応ゲームプラットフォームを増やした。ますますプレイしやすくなる同ゲームの躍進の影には、あの大手ゲームスタジオの存在がある。

『Fortnite』のノウハウを流用

 任天堂公式サイトは11日、『Dauntless(ドーントレス)』がNintendo Switchでプレイ可能となったことを伝えるニュース記事を公開した(下の動画参照)。同じく11日、PlayStaion公式サイトは同ゲームがPS4でプレイ可能になったことを報じる記事を公開した。

YouTube「Dauntless | Nintendo Switch Launch Trailer」

 『Dauntless』は、既報のように今年5月にEpic Games Storeから配信されたアクションゲームだ。配信から1週間を待たずにプレイヤー数が500万人を突破したことでは話題を呼んだ。同ゲームの特徴を簡潔に説明すると、「モンハン(『モンスターハンター』、以下『モンハン』)とFortniteのいいとこどり」である。仲間と協力して巨大なモンスターを狩る、という世界観とゲームシステムは『モンハン』シリーズからインスパイアされたものである。しかし、『モンハン』は有料ゲームとして販売される一方で、同ゲームは基本プレイ無料なのだ。ただし、武器のスキン等を入手できる「ハントパス」はゲーム内通貨を使って購入することになる。この課金システムは、『Fortnite』が普及させたものを流用していると言える。

 実のところ、『Dauntless』に『Fortnite』の影響がうかがえるのは当然なことである。というのも、同ゲームがEpic Games Storeから配信されるにあたり、開発したゲームスタジオのPhoenix Labsは『Fortnite』の開発元であるEpic Gamesから技術的支援を受けていたのだ。迅速にクロスプラットフォーム対応を展開できるのも、こうした技術的支援があったからである。なお、同ゲーム公式サイトによれば、2020年内にはモバイルにも対応する予定だ。

1年間で56の無料ゲームを配布

 『Dauntless』を配信するEpic Games Storeは、昨年12月に立ち上げられてから着実にその存在感を大きくして、PCゲームプラットフォームの最大手Steamの強力なライバルに成長した。そんなEpic Games Storeに関して、テック系メディア『PCWorld』は6日にその1年の歩みを振り返る特集記事を公開した。

 Epic Games Storeが立ち上げられた1年前、注目されたのはゲーム開発者に支払う利益分配率であった。Steamがゲーム販売から得た売上の70%を開発者に支払うのに対して、Epic Games Storeは88%としたのだ。こうした差別化戦略の結果、『DIVISION 2』や『ボーダーランズ3』といった人気ゲームがSteamではなくEpic Games Storeで配信されたのだった。

 さらにEpic Games Storeの登録ユーザに対して、運営元のEpic Gamesは同ストア立ち上げ当初の5月から2週間ごとに1本のゲームを無料配信するというプロモーションを行った。2週間に1本という配信サイクルは6月には1週間に1本となり、時には週に2本配信されることもあった。こうして無料配信されたゲームの総数は、12月時点で56本にのぼる。

 以上のようにして着実にユーザを獲得していったEpic Games Storeに対して、Steamはリアクションを迫られることになった。そんなリアクションのひとつが、9月に行ったゲームライブラリの大型アップデートだ。このアップデートは、海外メディアにはおおむね好意的に評価された。そのほかのリアクションとして、過去にSteamから離れた大手ゲーム配給会社EAと再びゲーム配信契約を締結したことがある。この再契約によって、『STAR WARS ジェダイ:フォールン・オーダー』が配信されるにいたった。

 PCWorldの記事はEpic Games StoreとSteamのライバル関係を振り返ったうえで、両者のライバル関係は長期的にはPCゲーマーに利益をもたらす、と結論づけている。

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