『ターミネーター:ニュー・フェイト』を軸にAIの未来を考える 人工知能は脅威か、それとも恩恵か

 人工知能(AI)は脅威か、それとも人類に恩恵をもたらすのか。

 ディープラーニング(深層学習)の登場により、“第3次AIブーム”となっている現在、AIの可能性と悲観的な観測が世間に入り乱れている。囲碁の世界チャンピオンを打ち負かした“AlphaGo(アルファ碁)”は、大きなニュースとして注目された。AIはもはや一部の好事家のものではなく、社会に大きな変革をもたらすものであると認識されていることは間違いない。

 現在、シリーズ最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』が公開中の『ターミネーター』シリーズは、“AI脅威論”を基にした代表的なSF映画だ。自我に目覚めた機械が人類を滅ぼすという世界観は、未来のAIの脅威として、様々な場面で引用されてきた。今作では、冒頭でこれまでのシリーズの世界観をひっくり返すような展開をするが、AIによって人類が苦境に立たされる未来というコンセプトに変化はない。

 本シリーズが描き続けたAIの恐怖というのは、どの程度妥当性があるのか。また、なぜ人はAIを恐れるのか、本作と昨今のAIに関する動向を参照しながら考えてみたい。

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