新庄剛志、高木豊、井端弘和……なぜ、プロ野球OBが続々“YouTuber”デビュー?
元プロ野球選手の新庄剛志が10月30日、公式YouTubeチャンネルを開設し、話題を呼んでいる。
新庄といえば、阪神タイガース、ニューヨーク・メッツ、北海道日本ハムファイターズなどの日米球団を渡り歩き、阪神時代には敬遠球をサヨナラ安打し、日ハム時代にはオールスターでホームスチールを決めてMVPを獲得するなど、数々の伝説を残してきた言わずと知れた球界のスーパースター。そんな彼が新たなフィールドとして選んだのはYouTube。ここで今、新たな新庄劇場の幕があがろうとしている。
動画の中で新庄は、はじめに「俺がこれから話すことは世界のトップ中のトップレベルの話をするので、難しいなとか、俺には無理だなとか思っている人がいたら見ないでください」と強気に前置き。そのうえで、今年の日本シリーズで見せた巨人中堅手の守備映像をiPadで提示し、「この巨人のセンターの子がちょっと誰だかわかんないんだけど、日本シリーズでセンター守るって良い選手だと思うのね。でも、この(ボールの)取り方と投げ方をもし、シーズン中もしてるんだったら、巨人のコーチはクビにしたほうが良いかも」とバッサリ切り捨てた。
なかなか辛らつな指摘。しかしその後、NPBのゴールデングラブ賞外野手部門で10度の受賞歴がある新庄により、「トップ中のトップレベル」へ到達するために必要な技術論が自身のスーパープレイ映像を交えながら語られるなど、野球ファン垂涎の内容が展開されている。
新庄に限らず、最近、プロ野球OBのYouTuber化が目立つ。その草分け的存在といえば、現役時代は横浜大洋ホエールズ及び横浜ベイスターズなどでプレイし、現在、プロ野球解説者としても活動している高木豊だ。
高木チャンネルの人気コンテンツは、豪華ゲストがプロ野球歴代ベストナインを発表していく動画。谷繁元信、松井稼頭央、宮本慎也といった往年の名プレイヤーを招き入れ、それぞれが思うベストナインを発表していくのだが、ゲストがどの選手を選ぶのかもさることながら、現役時代の思い出話や人となりが、高木との対話によって引き出されていくのも一つの見どころとなっている。
この高木チャンネルよりも後発ながら、チャンネル登録者数で上回る勢いを見せるのが、千葉ロッテマリーンズの元正捕手・里崎智也のチャンネル。里崎の魅力と言えば、軽妙洒脱な語り口調と、捕手出身者ならではの分析的かつ理論的なトークだ。しかも、指摘する時はズバリ指摘するのに、本人の朗らかな人柄によって、「ドラフト寸評」「セ・リーグのDH制導入」など、一歩間違えれば角が立ちそうなトークテーマでも、まったくトゲなく楽しい雰囲気で展開できるのも強みと言えよう。