“正社員YouTuber”として働くクリエイターの仕事内容は? 本人に話を聞いてみた

 インフルエンサーマーケティングのトータルソリューションを提供する株式会社BitStarが、2019年4月に正社員雇用による「社員YouTuber制度」を策定し、その後1名が入社。現在は第二弾として「正社員漫画家YouTuber」の採用をスタートしている。

 社員として給与を支給しながらYouTuberの活動を支援する、という制度が生まれたことで、入社したクリエイターはどのように活動しているのだろうか。リアルサウンドテックでは同社で“正社員YouTuber”として活躍しているがちょす氏にインタビュー。正社員YouTuberになった経緯や、同制度ならではのメリット、日々の活動内容について、じっくりと話を聞いた。(編集部)

 「大きな機会をいただけるのは、会社所属の特権」

ーーまずは、がちょすさんが「BitStar」で正社員YouTuberになった経緯から聞かせてください。

がちょす:今年の5月末に、今回の求人を見て応募を決めました。前職は子どもたちとの関わりが多いエンタメ系の仕事でしたが、もっと人前に出る仕事をしたいなと思っていたんです。テレビ関係も視野には入れましたが、友人がYouTuberをやっていたこともあり、話を聞くうちに自分でもやってみたくなりました。

ーーということは、もともとYouTuberとして活動していたわけではなく、このタイミングで始めたに近いと。

がちょす:そうですね。YouTubeを個人で今から始めるとなると、右も左も分からない自分には少しハードルが高いなと思っていたところ、今回の「正社員YouTuber」の求人を見つけたんです。

ーーYouTuberとして活動するにあたり、魅力に感じた部分とは?

がちょす:動画の企画から準備を全て自分でできることが魅力的でした。自分でゼロからコンテンツを作り出し、それを世の中に発信していく面白さを味わうことができます。とは言え、常にトレンドが変化していくので24時間アンテナを張って生活をするようになりました。

ーー実際正社員YouTuberとして入社するまで、どういう試験を受けたのか気になります。

がちょす:書類選考に受かって、3回ほど面接をしていただきました。毎回別の方に担当いただいたんですけど、人間性に着目するような質問が多かったのを覚えています。「普段どういう生活を送ってるんですか?」だったり、趣味や特技についての質問でした。最初は緊張して足がガクガク震えてたんですけど、面接が終わる頃にはすごくリラックスできていました。そこで趣味が模型製作であることなどをお伝えした結果、自分の性格や特技に合うものとして「ニンジャボックスTV」のオーディションを勧めていただいたんです。

ーーいま「性格」という言葉が出ましたが、がちょすさんは自身をどういう性格・タイプの人間だと思っていますか?

がちょす:学生時代は学級委員を引き受けて、みんなを引っ張っていくタイプでした。でも、自分の時間も欲しいし、何かに集中するときは周りのものをすべてシャットアウトする、という2面性を持っていましたね。スイッチが急に入って作業に没頭したり、スイッチが切れて家で一日中ボーッとしていたり。その両方が今の仕事に活きている気がします。

ーー「正社員YouTuber」って、言葉としてすごくキャッチーなんですが、実際には何をしている人なのか、というのはあまり見えづらいところがあります。普段はどういう仕事をされているんですか?

がちょす:僕の場合は、DIY系のチャンネルで設計とデザインを一貫して任せていただいているので、次に作るもののデザインや必要なものの買い出し、企画会議への出席、次の企画に向けたリサーチなどが主な業務です。今は毎回の収録や会議がすごく勉強になっていて、「こうすればいいのか」「これが足りないかもな」と思わされる毎日ですし、今後もゴールはないんだろうなと思いました。

ーーYouTuberデビューからこれまで、一番辛いと思ったことは?

がちょす:辛いなって思っちゃうとその時点で力が出なくなるタイプなんですけど、このお仕事を始めてから、1回もそう思ったことがないんです。企画で体力的にキツいものに挑戦していても、あまりそこは苦にならないですし。唯一ダメだったのは、お化け屋敷に入る企画ですね(笑)。

ーーこのタイミングで活動を始めたので、一般的なYouTuberさんとの比較は難しいと思うんですが、がちょすさんなりにフリーのYouTuberと正社員YouTuberの違いを分析すると?

がちょす:YouTuberデビューしたての僕が『東京ゲームショー』のブースに出たりと大きな機会をいただけるのは、会社所属の特権だと思います。あとは、毎月決まったお給料をいただけることも大きいですね。フリーYouTuberだと、チャンネルを収益化して、安定するまで時間がかかると思うので。

 また BitStarのスタジオや設備を自由に使えて、動画編集やノウハウを学べる環境なのはとても大きく、YouTubeの仕事に100%専念できることは強みだと思います。

ーーあと、企画会議に呼ばれるというのは大きいですよね。フリーの方々では味わいにくい領域というか。

がちょす:そうですね。会議で話していることをリアルタイムで聞けるのは大きいです。ディレクター側の意見も、YouTuber側の意見もわかるので。

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