まふまふ&ヒカキンが語り合ったパイオニアとしての矜持 「我が道をどこまで行けるか」

 10月19日、NHK総合にて、ネット発の人気ボーカリスト・まふまふを特集する『ひきこもりからドームへ ネット時代の先駆者・まふまふ』が放送。事前の告知でファンが待望していた、日本のトップYouTuber・HIKAKIN(ヒカキン)との対談の模様が公開された。

 「あなたは“まふまふ”を知っていますか」という一言から始まった同番組。まふまふは、いまネット世代の若者から絶大な支持を受けるアーティストで、男性でありながら高音域を歌いこなす、圧倒的な歌唱力でリスナーを魅了していると紹介され、今年6月に行なわれた埼玉・メットライフドームの2DAYSライブは即完売、およそ7万人を動員するという人気ぶりが伝えられた。

 活動の拠点がネットであるため、「まふまふ」という名前は広く一般的な認知度は高いとは言いがたいかもしれないが、ツイッターのフォロワー数は160万人を超え、動画の総再生回数は10億回以上を記録している。番組にコメントを寄せた10代の若者たちは「人生を180度変えてくれた尊い存在」「世界観も、歌い方も、本当に全部が好き」と語り、「革命家」「神」とすら語る人もいた。学生時代にいじめを経験したまふまふは、いま、生きることそれ自体に苦しみを感じている人たちの心に響く、彼にしか書けない曲を届け続けている。実際に救われたリスナーにとって、「神」というのも決して大げさな表現ではないのだ。

 1日の大半を自宅で過ごす“ひきこもり”だと自称するまふまふが、メディアに登場するのは極めて珍しい。彼がネットやSNSの世界から地上波にやってきたのは、今回の対談相手となったヒカキンの存在が大きかっただろう。ヒカキンは以前からまふまふに注目しており、「フィールドは同じだけれど、やっていることは似ているようで違うイメージ。歌をまっすぐにやっていて、ドームを埋めちゃうとか、YouTubeでもちょっと異質な存在ですよね」と語った。

 二人はなぜ、活動の場にネットを選んだのか。動画投稿を始めた理由として、ヒカキンは「学校が終わった後にワイワイ友達と遊ぶより、パソコンとかネットが好きだったんですよ。家で何かをチマチマやる方が楽しくて、で、(ヒューマン)ビートボックスが好きで……それを文化祭とかで披露するより、ネットに動画として投稿する方が好きなんです」と語る。これに対して、「超わかります」とまふまふ。「僕も“ネットで投稿を始めた勢”なんですけど、音楽って、“路上ライブやれよ”とか、小さいライブハウスをまわっていくのが正義、みたいな空気があったんですよ」と当時を振り返った。

 人が話すのが苦手で、ライブにも行けなかったというまふまふは、「そういう人間でも楽しめるコンテンツで、それをみんなでコメントして盛り上げる」というネットの音楽シーンに居心地のよさを感じ、「自分の場所を見つけた」と語った。ヒカキンも「普段、同じことを考えている人としゃべるのは初めてかもしてない」と共感し、「うれしいですね」とよろこぶ。

 そんな活動が、本人の想定をはるかに超えて広がっていった。ヒカキンは、高校時代から地元・新潟で動画投稿を始めたが、「東京の人も僕のことを知っていて、上京した瞬間に声をかけられたんです」と、“自分はすごいことをしているんじゃないか”と思った瞬間を語る。一方、まふまふも「僕も福岡の人とか、北海道の人とか、アメリカの人とか、そういう距離の人たちから、自分たちの作品に対して感想を言ってくれるのがうれしいし、しかもそれがリアルタイムなのが素晴らしいなって」と、ネットで表現することの価値を説明。このように、ファンがダイレクトに感想を伝え、クリエイターからのレスポンスがあるかもしれない、と思わせられるところが、「僕らの強みなんじゃないかなって」と、ヒカキンは分析した。

 また、まふまふはヒカキンに対して「動画投稿って、いまでもプレッシャーとかありますか?」と質問。ヒカキンは「プレッシャーのかたまりですよね。本当に何本か再生数がちょっと調子悪くなると、『ヒカキン、オワコン』『悲報:ヒカキンさんの動画が伸びない』みたいなニュースがすぐに出るんですよ(笑)」と、押しも押されもしないトップYouTuberでも、プレッシャーは健在だと明かす。まふまふも「動画を投稿する1時間前は、いつも吐きそうになりながら……」と、いまも「『あんまよくないな』と言われたら、自分の音楽を否定することになる」という重圧を感じながら、動画を投稿しているという。ヒカキンが「そのプレッシャーをどう乗り越えているんですか?」と聞くと、まふまふは「いやもう、吐くか……(笑)」と一言。ヒカキンも「ガチでそこまでいくんですか。ヤバ!」と驚いていた。

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