ブラピ主演最新作『アド・アストラ』、リアルな宇宙服に込められた驚きの工夫とは

 監督をジェームズ・グレイが務め、ブラッド・ピットが主演する9月20日公開の映画『アド・アストラ』。同作の衣装に隠された“工夫”が、このたび明らかとなった。

 日本でも絶大な人気を誇る世界的ハリウッド・スター、ブラッド・ピットが初めて宇宙に挑み、『メン・イン・ブラック』シリーズや日本のCMでもお馴染みのトミー・リー・ジョーンズをはじめとする超豪華な共演陣が話題の『アド・アストラ』。第76回ベネチア国際映画祭のコンペ部門にも正式出展されるなど、今注目の話題作だ。

 宇宙を題材にした映画といえば、派手なガジェットや独創的な衣装を連想するが、同作ではあえて“衣装に注目が集まらない工夫”を凝らしているという。ジェームズ・グレイ監督は同作について「SF分野とは程遠いデザイナーを求めたんだ。SF映画で“衣装に注目が集まらない”ことは難しい。私は登場人物が着るべきものを着ているだけということだけにしたかった。本作ではそれが体現できたよ」と、派手さよりもリアルさを重視したことを明かした。

 そんな本作の衣装を手掛けたのは、アカデミー賞を2度受賞 (『オール・ザット・ジャズ』(1979年公開)、『バグジー』(1991年公開))、5度ノミネートされている衣装デザイナーのアルバート・ウォルスキー。彼はグレイ監督から衣装デザインを託されたとき、ニール・アームストロングら宇宙飛行士たちが宇宙船で私服でくつろいでいる写真が掲載されている本を渡されたという。アルバート氏いわく「グレイはありふれた普通のスタイルを望んでいた。私の仕事は未来の日常的なスタイルを見つけることだった。本作では登場人物の衣装が“衣装らしくない”ことが重要だったんだ」と語っていた。

 また、本作に登場する宇宙服に関しては“アポロ計画のチームが着ていた宇宙服に似せること”が何よりも大切にされたそうで、アルバート氏は「本作の宇宙服は本物に限りなく近づけている。宇宙服の中は圧力によって拡大縮小したり、コンピューターが働いていたり、一つの世界が存在しているんだ。着ている役者が死なないように、本物の宇宙服で使われている冷却装置と同じものを使っているんだ」と、衣装の秘密を語った。

 『ムーンライト』(2016年公開)や『それでも夜は明ける』(2013年公開)など数々の上質なオスカー作品を輩出し続けている製作会社プランBがプロデュースを手掛ける本作。太陽系の彼方で消息を絶った父はなぜ生きていたのか、そして、なぜ危険な実験を抱えたまま彼は姿を消したのか。リアリティにも工夫を凝らした壮大なスペース・アドベンチャーを、衣装にも注目しながら鑑賞してほしい。

■公開情報
『アド・アストラ』
9月20日(金)全国公開
監督:ジェームズ・グレイ
製作:ブラッド・ピットほか
脚本:ジェームズ・グレイ&イーサン・グロス
出演: ブラッド・ピット、トミー・リー・ジョーンズ、ルース・ネッガ、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランド
配給:20世紀フォックス映画
(c)2019 Twentieth Century Fox Film Corporation

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